2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study of broadband noise prediction generated from a low-pressure fan based on machine learning
Project/Area Number |
21K12294
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐々木 壮一 長崎大学, 工学研究科, 助教 (00304965)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 機械学習 / 圧力PSD / ファン騒音 |
Outline of Annual Research Achievements |
IoT機器における熱排気用の軸流ファンを解析の対象に設定した.このファンの動翼は5枚、羽根直径は105mm、定格回転数は12000rpmである.このファン性能の試験装置がJIS B8330の押し込み送風機の規格に準じて製作された.定常流れの数値シミュレーション(CFD)のための解析モデルの要素数は約550万であり,その最小格子幅は粘性低層よりも小さく設定された.最高効率点近傍では,実測値とCFDの静圧の誤差は5.2%であった.ファン騒音の予測では,CFDによって解析された羽根車後流の相対速度と出口偏差角が機械学習の特徴量として与えられた.このとき,翼先端の周速度は73.2m/sであり,この速度は風洞試験で測定された教師データの最大速度の2倍以上であった.この場合,実測値の教師データが機械学習のモデルにそのまま与えられると,予測値のファン騒音が過小評価される課題があった.この課題を克服するために,無次元化された圧力PSDを教師データとした機械学習モデルを開発した.まず,NACA0008から発生する広帯域騒音を無次元圧力PSDの機械学習によって予測した.実数の無次元圧力PSDを学習させたモデルは低周波と高周波の音圧を同時に予測することが出来なかった.一方,対数の無次元圧力PSDを学習させたモデルは実測値の広帯域騒音のスペクトル分布を表すことができた.この無次元圧力PSDの機械学習に基づけば,教師データの特徴量を越える高速な翼先端の流れ場から発生するファン騒音を予測することが可能になる.この機械学習の予測に基づいて,実機のファンから発生する可聴域近傍の広帯域騒音がその翼素から放出されるカルマン渦の圧力変動によって発生することを示した.また,機械学習による予測は低風量のファンの広帯域騒音が高風量のファン騒音よりも大きくなることを表すことができた.
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