2021 Fiscal Year Research-status Report
人口減少が進む中小規模の水道事業を対象とした持続的可能な水供給システム
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21K12342
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| Research Institution | Ritsumeikan University |
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Principal Investigator |
清水 聡行 立命館大学, 理工学部, 講師 (50584025)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 伸介 大阪工業大学, 工学部, 教授 (90309170)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 中山間地域 / 水道水質 / 残留塩素 / 水質維持水 / 滞留時間 / 動力費 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
給水水質の分析に関して、対象地区では、送配水運用区域（送水と配水を1本の管路で運用している区域）があり、管路内での水の動きが複雑なため、残塩濃度の予測が困難となっている。そこで、送配水運用区域の滞留状況を把握するため、残留塩素の実測値から、残塩予測モデルを用いて時間と経路の推定を試みた。対象地域に2カ所存在する送配水区域において、起点から利用者および配水池まで、高所側の配水池を経由する経路と直接到達する経路を設定し、各経路への流量分配比を変化させて末端の残塩濃度を計算した。1つの地区では滞留時間が空間時間の約2～6倍と推定され、配水池を経由する流量の比率が高いほど滞留時間の差が大きくなることが示唆された。送配水運用区域の滞留状況が明らかとなり、残塩維持のためのダウンサイズや末端放流の効果の予測が可能となった。
給水システムのシナリオ分析に関して、K市より提供頂いた検針水量データや各ポンプ室の電力量・電気料金に関するデータをもとに、山間地域における使用水量や送配水にかかる動力費の実情を明らかにするとともに、電力量の視点から代替的な水供給方式を導入した際の費用比較を行った。山間地域においては、使用水量が非常に少ない世帯が多いことが分かった。使用水量が月平均で1m3以下の世帯割合は、市全体では5.7％であったのに対し、山間地域では14～21％であった。送配水にかかる動力費について、市全体の配水にかかる動力費は約3円/m3であるのに対し、対象地区では54円/m3であった。なお、末端放流水量を削減することにより電気料金を縮減することも可能と考えられた。他方で、山間地域に小規模浄水場を導入する利点は、動力費からみれば小さかった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
給水水質の現状・将来予測については、滞留時間分析、予測モデルを検討し実測値とのパラメータフィッティグを行った。その結果、送配水運用区域の滞留状況が明らかとなり、残塩維持のためのダウンサイズや末端放流の効果の予測が可能となった。
給水システムのシナリオ分析については、イニシャルコストを含めた費用面のシナリオ分析はできなかったが、課題となっている動力費（エネルギー）に関するシナリオ分析ができた。また、費用面でかなり不利であることが明らかとなったが運搬給水によるコストも検討した。
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| Strategy for Future Research Activity |
給水水質の現状・将来予測に関しては、基礎的な予測モデルの構築ができたが精度を上げるために、さらなるデータを積み重ねていく予定である。また、山間地域だけでなく、高齢化率のきわめて高い住宅団地を対象に、配水管内の水質予測も行っていく。
給水システムのシナリオ分析に関しては、水質、維持管理、災害対策、管路・設備更新といった視点も含めた多面的な評価をする必要がある。評価手法自体の検討も含め、進めていく。
研究代表者の清水は令和4年度より関西から中国地方の大学へ異動した。赴任した地域には小規模で人口減少の著しい水道事業体・地区も多くあることから、実態や課題に関する情報を収集するため積極的にヒアリング調査等の現地調査を実施する予定である。
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| Causes of Carryover |
令和3年度においては、消耗品の購入額が予定より少なかったこと、出張回数が予定より少なかったこと、アルバイト謝金の執行がなかったこと等により、次年度に繰り越すこととなった。
水質を測定し研究を遂行するために必要な機器や消耗品を購入する予定である。また、研究代表者の清水が異動したことから、研究対象都市を新たに追加するための調査等に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)
