2022 Fiscal Year Research-status Report
寄付とエシカル消費促進の実証的社会科学研究―チャリティーショップを事例として―
Project/Area Number |
21K12355
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
前田 洋枝 南山大学, 総合政策学部, 教授 (70611094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 聡 愛知淑徳大学, ビジネス学部, 准教授 (80584896)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | チャリティショップ / 寄付 / エシカル消費 / 持続可能な社会 / 社会心理学 / 経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者(前田)・研究分担者(渡邉)とも日本チャリティショップ・ネットワークに会員、賛助会員の店舗について、ショップの見学と団体代表者や店舗責任者にインタビュー調査を実施した(2022年6月に2件・10月に1件・3月に3件。なお、2023年4月にも1件予定しており、相手先の団体とは日程を調整済み)。調査内容は、団体発足からこれまでの活動概要、店舗設立の経緯や設立の際に感じていた問題意識、団体の活動におけるチャリティショップの位置づけや「チャリティショップ」の概念の受容・「チャリティショップ」と位置付けることで感じている効果、複数の店舗を展開している団体の場合は比較的初期に開店した店舗での課題、コロナ禍の影響と回復状況、近年行なっている工夫などについて話を聞いた。さらに、寄付品の受け入れやリユース品の販売状況、店舗運営に関わるボランティアの状況、行政・他の企業・NPOなどとの協働の活動、これまでの活動成果、現在の課題なども尋ねた。これらのインタビュー調査の結果は文字起こしを行なったうえで、現在取りまとめや研究発表の準備をしている。 また、日本チャリティショップ・ネットワーク主催でオンラインで実施された会員向けイベントや若者向けにオンラインで開催された講演会にも参加し、関係者や参加者との意見交換に参加するとともに、今後の調査に向けたラポール(信頼関係)形成に努めた。 研究代表者(前田)は、既に実施しているチャリティショップ利用者・ボランティアに対する調査の論文化の作業を進めている。 研究分担者(渡邉)は、寄付・ボランティア・倫理的消費など利他的行動に関する経済学関連の先行研究を収集し、利他的行動の経済学的定義とその決定要因に関する研究を進めている。加えて、チャリティショップを通したリユース品の活用の効果について、ライフサイクルアセスメントの観点から検討する準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた、チャリティショップ立地地域の地域住民を対象とした不用品の寄付・リユース品購入の促進アプローチの効果を測定する研究の実施に至っていないため。また、投稿予定の論文が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度における各チャリティショップを運営する団体・個人を対象としたインタビュー調査などを通して、関係者とは十分なラポールを形成することができ、運営団体の協力を得て情報提供などを行なうことが人びとの認知・行動の変容を促す効果が見られるか検討する研究についても具体的に実践可能な内容の検討に入ることができている。今後とも研究代表者・研究分担者・関係者との連絡をこれまで以上に密にして研究を実現していく。
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Causes of Carryover |
特に大きいのは、海外旅費の執行を控えたことである。新型コロナウイルスの影響を考慮し、年度内に実施を控えた海外出張があった。 2023年度以降での使用計画としては、チャリティショップの立地地域の地域住民などに対する利用促進アプローチの実施やその前後の調査の費用、国内外の学会発表や投稿論文の英文校閲などに使用する。
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Remarks |
渡邉聡「サステイナビリティに基づく多様な企業評価の必要性―ソーシャルビジネス、社会的企業をどうとらえるべきか」中部経済新聞2022年11月8日朝刊8面「オープンカレッジ」https://www.aasa.ac.jp/news/files/2022/12/09/20221108.pdf
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