2021 Fiscal Year Research-status Report
市民参加による沿岸部グリーンインフラ機能の維持と増強のための実証的研究
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21K12357
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
河田 幸視 近畿大学, 経済学部, 准教授 (60449022)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | グリーンインフラ / 減災 / 防災 / 自然災害リスク / 市民 / 沿岸域 / グレーインフラ / 環境評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然災害のリスクは、ハザード、曝露、脆弱性によって決まる。これらのうち、ハザードそれ自体(津波等)の人為的制御は困難だが、ハザードへの曝露を抑制したり、ハザードに対する脆弱性を軽減することは人為的にも可能である。本研究は、脆弱性の軽減に資する防災インフラとして、グレーインフラ(コンクリート製の防波堤など)に偏重する現状から、近年関心が高まっているグリーンインフラを一層活用した状況に移行するには、どのような課題があり、それをどう解消できるのかを明らかにしようとするものである。 グリーンインフラは生態系に根ざすインフラであることから、その機能は、私たち市民の日常生活に影響されやすい。例えば、海岸林はグリーンインフラの一種といえるが、海岸林が有する防風効果や防潮効果は、海ゴミや上流域からの汚水によって減退する可能性がある。初年度は、このような視点から、市民生活とグリーンインフラの関係について、主に文献サーベイをおこなった。どのような理由でグリーンインフラの機能が軽減したかに依存して、人々の関心や機能回復に寄与しようとする姿勢に違いが生じる可能性があることから、そのような可能性を扱った文献を中心に、これまでの研究を整理した。 上記の文献サーベイを基にアンケート調査を行う予定であったが、文献サーベイに予想以上に時間がかかったなどの理由で、初年度は、アンケート調査は実施できなかった。2年目のなるべく早い時期におこなう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献調査に予定以上に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に実施できなかったアンケート調査を早期におこなう。本年度の調査は、初年度の調査と関係が深いことから、同一のアンケート調査で同時におこなうことも視野に入れて、研究計画の予定の通りに研究が進むよう、調整をおこないたい。
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Causes of Carryover |
初年度計上していた経費の大半は、国内アンケート調査に充当する予定であったが、文献調査に時間を要し、アンケート調査を実施できなかった。2年目も国内アンケート調査を実施予定であり、相互に関連する内容であるため、アンケートの項目数や規模(配布数)を拡大して、2年分を1つのアンケートでおこなうことも検討したい。
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