2021 Fiscal Year Research-status Report
空間ビッグデータを活用した将来の汚水処理システムの持続可能性に関する研究
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21K12362
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
秋山 千亜紀 (水谷千亜紀) 筑波大学, 生命環境系, 客員研究員 (20714166)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 汚水処理システム / 空間ビッグデータ / 持続可能性 / 建物ポイントデータ / 人流データ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで実施してきた研究によって,下水道利用者の時間的変動がどの程度あるのかを把握することが重要だと考えられたため,まず,建物1棟ごとの位置および用途を示す建物ポイントデータと近年利用が注目されているモバイルビッグデータを活用して昼間人口を算出し,建物の用途に応じて按分することにより,下水処理事業の実質的な利用者の数を推定に取り組んだ.今年度は,モバイルビッグデータの可能性を探索するため,まずは全国的にも人口が集中する関東地方を対象に分析を実施した.なお,使用したモバイルビッグデータには,個人を特定する情報は含まれていない. 従来,下水道事業の進捗を示す代表的な指標として,行政人口に対する処理区域内人口の比で示される「下水道普及率 」が用いられる.ここでの人口はいわゆる夜間人口と言われるものである.今年度,本研究では,夜間人口および昼間人口の比率を推定することで実質的な利用者の数を推定した. 夜間人口および昼間人口については,それらをもとに,必ずしも行政区域に一致しない下水道の処理区域に存在する建物に着目し,建物毎の住宅用途・業務用途の床面積を算出し,国勢調査から得られる夜間人口とモバイルビッグデータから得られる推定昼間人口を建物毎に按分することで人流に応じた時間的な人口分布の再現に取り組んだ.このように算出された建物単位の推定人口を用いて,処理区毎の夜間人口および人流データをもとに(推定)昼間人口を算定し,事業ごとの利用率の実態に迫ることとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に示す通り,空間ビッグデータである建物ポイントデータおよびモバイルビッグデータを突合させ,推定昼間人口を算出し,本研究における利用可能性を検討した.いずれもデータが巨大であるため,まずは関東地方をテストケースとして分析手法の確立に努めた. またテストケースの学会発表を通して,新たな人脈もでき,当初目標の達成に向けた兆しを感じている.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,昨年度のテストケースでの実施経験を活かして,分析範囲を拡張する方向に推進したい.
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Causes of Carryover |
当初,本予算で購入を予定していたデータについて,別予算での購入が可能となったため次年度使用額が生じた.これを受けて今年度は,集計方法を見直すなどして,別途データの購入を検討したい.
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Research Products
(3 results)