2023 Fiscal Year Research-status Report
空間ビッグデータを活用した将来の汚水処理システムの持続可能性に関する研究
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21K12362
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
秋山 千亜紀 (水谷千亜紀) 筑波大学, 生命環境系, 客員研究員 (20714166)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 汚水処理システム / 空間ビッグデータ / 持続可能性 / 下水道接続率 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、個人が特定されないように処理をされたモバイルビッグデータによって、推定昼間人口を建物毎に按分し、時間的な人口分布の再現に取り組んだ。下水道の利用予測につながるものと期待したものの、下水道事業の主体となる自治体にとってはモバイルビッグデータは費用面や技術面での制約が大きいことが分かった。このことから次年度は将来的な下水処理区域の広域化・共同化の可能性を検討するため、広域な処理区を有する汚水処理施設である流域下水道事業を対象に、各処理区内とその周辺の将来推計人口を用いて、将来設定するべき下水道処理区の範囲を簡易的に設定する手法の検討行った。 以上を受けて今年度については、研究発表時に頂いたコメントや昨今の汚水処理行政の動向を踏まえて、流域下水道に加えて、集合処理・個別処理の双方の特徴を有する浄化槽など他の汚水処理施設に関する情報収集を進めながら、これまでの流域下水道を議論の軸としてた研究成果に対して、地域の汚水処理機能の持続性を高めるためにどのように取り入れることができるかを検討した。また、デジタル田園都市構想やスマートシティといった居住地自体のIT化・DXが推進される中における都市施設としの下水道の在り方について情報収集を進めた。なお、スマートシティについては国際的に議論が高まっている。IT分野DX分野の発展が著しい韓国でのSmart geo EXPO、と同時に韓国国土研究院(KRIHS)が主催するICGIS2023に参加し、最新の研究事例について情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究を進める中で、流域下水道だけでは対応が困難であることが明らかになり、浄化槽など他の汚水処理施設を組み込む必要性を認識した。そのため、浄化槽法の改正、関連制度、浄化槽に関する情報収集や設置補助について整理・収集した。下水道事業は国土交通省が、浄化槽行政は環境省が主に所管しており、また都道府県や自治体によってそれぞれ情報公開の在り方が異なるため、探索的な情報収集となり、時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、これまでの実施経験を活かして、汚水処理施設の選択の幅を持たせた形での試算など内容を充実させる方向に推進したい。
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Causes of Carryover |
当初、本予算で購入を予定していたデータについて、価格交渉によって想定よりも低価格での購入が可能となったため次年度使用額が生じたことが主な理由である。最終年度となる今年度は,研究自体の取りまとめを念頭にしつつも、次のステップに向けた検討をしたい。
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