2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on optimization measures by analyzing successful and unsuccessful cases of municipal waste treatment facilities in Thailand
Project/Area Number |
21K12370
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
佐々木 創 中央大学, 経済学部, 教授 (40634100)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Municipal Solid Waste / Waste to Energy / MBT(機械的・生物的処理) / Refuse Derived Fuel / 初期投資額 / 循環産業 / 海外展開 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界銀行は、主に家庭から排出される都市ゴミ(Municipal Solid Waste: MSW)の世界全体の年間廃棄物量は、2016年の20億トンから今後30年間で34億トンに急増し、地域別では特にアジアが顕著に増加すると予測している。こうした中でタイでは所管官庁のMSW監視体制の強化と情報公開が進展し、他のアジア諸国より先行していると考えられる。ただし、タイのMSW処理施設の所管官庁は7機関と多岐に渡っており、それぞれの主務業務の情報だけタイ語で分散して公開されている。 2021年度は主にMSW処理施設に関連する10の承認プロセスにおいて最初に必要とされる手続きとなることから、タイ首相府・公聴センター(Public Consultation Center, The office of Prime Minister)に着目した。タイ首相府・公聴センターに提出されたプロジェクト毎の当初計画について、当該技術、予算、処理能力、大学やコンサルティング・エンジニアリング会社などの参画者の情報を整理した。 この結果の一例として、初期投資額と処理能力の双方のデータを得られたMBT/RDF施設(40件)と廃棄物発電施設(14件)の平均初期投資額においては、MBT/RDF施設が157.7百万バーツに対し、廃棄物発電施設は1,512.0百万バーツと約9.6倍の価格差となった。しかし、処理能力当たりの平均初期投資額で見ると、MBT/RDF施設が2.9百万バーツ/トン・日に対し、廃棄物発電施設は4.6百万バーツ/トン・日と約1.6倍に収まっている。先行研究では「500 万円/規模ton から1,000 万円/規模tonとなっており国内相場と比較するとかなり安い」と指摘されていたが、本分析では同様に計算すると1,562万円/規模tonとなっており、今後の循環産業のベンチマークとなる価格を提示できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初はコロナ禍で渡航できないことを想定し、研究補助を雇用することで効果的に各種データベースの作成が進んだ。このデータを活用し、論文投稿1本、口頭発表7本(うち、国際会議招へい報告1本)を報告することができた。 また、結果的にコロナ禍でもタイ現地調査を実施することができ、現地に進出する日系エンジニアリング会社との勉強会をオンサイトにて実施でき、関係政府機関とのネットワークをより強固にでき、関連する一次データを入手することもできた。 さらに、2022年度に実施予定の日本国・環境省とタイ王国・内務省の関連調査への参加打診もあり、内諾している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はその他の6機関のデータベースを複数年組み合わせることで、住民公聴会、環境影響評価、売買電契約といった建設前のどの段階で計画が頓挫したのか、施設が完成し運営後に不適正処理施設と見なされたのか、などのMSW施設計画の成功・失敗事例の分析する予定である。 特に、今年度明らかにしたタイの廃棄物発電施設のコストアップの要因については今後他の機関のデータベースから検証することが、現地に進出する日系エンジニアリング会社や関係政府機関より求められている。
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