2021 Fiscal Year Research-status Report
「コロナ禍」前後におけるドイツの難民・移民に対する意識と政策の変化に関する研究
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21K12379
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
畔上 泰治 筑波大学, 人文社会系, 名誉教授 (70184174)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ドイツ連邦議会選挙 / コロナ / 青少年保護法 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)ドイツにおいて2021年9月26日に実施された第20回連邦議会議員選挙に関し、主たる政党の主張と選挙結果に関して、外国人問題とコロナ禍の影響との関連を中心に分析を実施した。具体的には、コロナ禍において導入された各種の行動規制(マスク着用、ワクチン接種、ロックダウン等)、また経済・財政支援に対する主たる政党の考え方と世論の動向、選挙結果の分析を開始した。外見的に非ドイツ人/外国人と認識する上で大きな役割を果たす顔がマスク着用により大きく隠された。また外出規制に伴い、自宅など屋内で過ごす時間が増加し、外国人と直接接触する、あるいは身近に出会う機会が減少したが、それが外国人に対する敵意と移民排斥運動にどのような影響を与えたのかを、とりわけ選挙において政党「ドイツのための選択肢」AfDの主張と選挙結果にどのように表れていたかに注目し、分析を行った。 2)教育現場や家庭におけるインターネット利用時間が増加に伴い、児童・青少年がインターネットを介した様々な危険に遭遇する機会は増加した。コロナ禍においてこうした状況はますます深刻になることが危惧された。こうした状況を前に、ドイツ政府は児童・青少年保護を強化するために「青少年保護法」を改正した。令和3年度の研究において、この法改正の詳細を分析し、概要をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍で実施された連邦議会選挙における各政党の主張・結果に関しては各政党のホームページ、新聞・雑誌・放送局等のホームページなどを通して資料を収集することができた。しかし、当初予定していたドイツにおけるこの選挙に関する資料収集、各種インタビュー、学校現場の視察などは、コロナ蔓延防止策(ロックダウン、渡航制限、人的接触回避の推奨等)により、結局、令和3年度においては実施することはできなかった。このため、資料不足が生じ、研究は停滞している。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の終息を待ち、その後にドイツにおける各種調査(インタビュー、視察など)を実施する予定である。同時にまた、ドイツ人研究者、日本国内の研究者との連携を深め、関連資料・情報の提供等を中心とした協力を受け、研究の推進に努める予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、ドイツでの各種調査(資料収集、聞き取り、インタビュー、学校教育現場の視察など)が実施できなかったことによる、旅費、謝金などを中心に予算の未使用があった。これの調査は令和4年度後半を中心に集中的に実施する予定である。その際には令和3年度の未使用分も含めて使用する予定である。
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