2021 Fiscal Year Research-status Report
コロナ禍からの復興に向けた中心市街地活性化策からみる地域のレジリエンスの源泉
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21K12396
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
石原 肇 近畿大学, 総合社会学部, 教授 (90759911)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コロナ禍 / 中心市街地活性化策 / 社会実験 / 青空市 / 道路占用 / 緊急事態宣言 / 3密の回避 / オンライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、COVID-19の影響からの復興を目指し、市町村や事業者が中心市街地活性化策を実施していく力をレジリエンスとして捉え、その方策を類型化するとともに、その意思決定過程、方策の効果について把握することを目的とし、2021年度は以下の研究を進めた。 第1に、2021年2月に大阪市城東区で実施されたオンラインよる音楽フェスについて学会発表等の公表を2021年度になって行った。本来対面で行っていた音楽フェスをオンラインで実施した意義を明らかにした。 第2に、大阪府門真市において実施された高架下等の活用に向けた社会実験を把握した。コロナ禍において実施された高架下等を活用した門真市の社会実験は、門真市駅周辺のエリアリノベーションに向けた取組みであり、2 度目の緊急事態宣言が発出されていた 2021 年 2 月 26~28 日に開催されたにもかかわらず、多くの参加者があり、成功であったといえる。また、3度目の緊急事態宣言解除後の2021 年12月10~12日に2度目の社会実験が実施され、多くの市民が参加し、これも成功であったといえよう。コロナ禍という厳しい中でも、実行委員会に参加団体が前向きに取組み、多くの市民に注目され、好調な第一歩を踏み出したと評価されよう。今後も引き続き注視していく必要がある。 第3に、コロナ禍の2021年5月から開始された兵庫県尼崎市のアミング潮江商店街の青空市の取組みを把握した。アミング潮江商店街の青空市は、コロナ禍において、状況に立ちすくみ何もせずにいたのではなく、青空市というアイディアを出し、それを実行したことで、密閉を回避する販売方法を確立した。また、組合店同士、組合店と組合、組合店と買い物客との繋がりが強化されていた。青空市の取組みは始まったばかりであり、今後も引き続き注視していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記したとおり、3地域の取組みについて、現地調査を含めた調査が実施できており、概ね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」に記したと3地域については引き続き調査を実施する。 2022年度は、コロナの感染者数の推移を受け、様々な動きが出てきそうであることから、これらを注視し、上記3地域以外の地域で的確に調査を実施していく。 なお、兵庫県尼崎市に関しては現在論文を投稿中であり、刊行までの対応をしていく。
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Causes of Carryover |
当該年度は新型コロナウイルス感染予防対策で学会発表がオンラインでの開催になる等で、学会発表で使用する予定であった旅費が執行できな状況にあったため次年度使用額が生じた。次年度は、2022年9月に関東学院大学(神奈川県)で地域活性学会が、2023年3月に東京都立大学(東京都)で日本地理学会が、それぞれ対面での研究大会開催の準備を進めており、それらの場で学会発表を行う予定で、旅費に使用する計画である。
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