2023 Fiscal Year Annual Research Report
Scrutiny of design principles for sustainable use and management of forests focusing on the empowerment of local communities
Project/Area Number |
21K12398
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Research Institution | Forest Economic Research Institute |
Principal Investigator |
長濱 和代 一般財団法人林業経済研究所, その他部局等, 研究員 (40839239)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 森林パンチャーヤト / 住民自治組織 / ヒマラヤ / インド / 質的研究 / 統計分析 / 林産物利用 / 持続的自然資源管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、林業経済研究所の研究員として研究を加速させた。海外では5月にケアンズ(豪州)で開催されたIUFRO(国際森林学会)において、国内では8月に日本環境教育学会、9月に九州森林学会、10月に村落環境研究会等において研究の成果を発表してきた。IUFROでは、インドにおける2012年度と2022年度の世帯調査の比較から、森林利用の変容と地域住民の意識について口頭発表を行い、家畜所有世帯の減少と女性の森林管理への参加等について論じた。データ数を増やす方がよいとの指摘を受けて、2022年度に続き、8月にフィールドワークを実施した。インド・ウッタラーカンド州テーリーガルワール郡にあるD村に滞在して、構造的面談調査を行った。調査世帯数を倍増させたことから、持続的森林管理の条件について論文にまとめ、国際誌へ投稿中である。 刊行物では、6月に『林業技術』(日本森林技術協会)にて、ウッタラーカンド州における「森林パンチャーヤト」の調査結果をまとめ、コミュニティ林の持続的利用管理と研究の課題を論じた。岩波書店から、ジュニアスタートブックスとして『木が泣いている-日本の森でおこっていること』を刊行し、インドでの研究も交えつつ、日本の森林利用の課題と解決方法について提起した。福岡県久留米市では2021年から「財産区」を事例とした調査を行い、2024年3月に『九州森林研究』から論文(査読有)を発表した。住民による資源の自治的管理組織として「財産区」はインドの「森林パンチャーヤト」と組織の特徴が類似していることが分かった。これらの住民自治組織の国際比較により、持続的な資源利用と管理の条件を整理することが可能となると考える。 招待講演の機会が増加して、インド国立ヒマラヤ環境研究所、大学、森林ボランティア組織等から招聘され、これまでの研究をまとめて発表することで研究のアウトリーチ活動に努めた。
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Remarks |
インドの国立ヒマラヤ環境研究所のVasduha Agnihotri博士らと共同で国際会議を組織して、招待講演とセッションの座長をした。 詳細はプログラムをご参照ください。https://www.gbpihed.gov.in/PDF/spotlight/notice_1693569347_notice_1690885944_ICMEPSL_Conference_HRC_March_2024.pdf
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