2022 Fiscal Year Research-status Report
Reconstruction of Japanese immigrants in the Philippines under the US rule through films and photographs: Memory, Representation and Relations
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21K12425
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
米野 みちよ 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (20798144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 成子 愛媛大学, 法文学部, 客員教授(非常勤講師) (90202126)
藤岡 洋 京都市立芸術大学, 芸術資源研究センター, 非常勤講師 (80723014)
バリガ マリア・シンシェア 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助教 (10895428)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アメリカ統治下フィリピン / フィリピン日本人移民 / 映像 / デジタルアーカイブ / 歴史と記憶 / 松井清衞 / 大阪貿易 / 南進論 |
Outline of Annual Research Achievements |
・年度の前半(4-8月)は、メンバー各自が、それぞれ担当した映像資料の精査を行った。特に、ショット毎にナンバリングされた映像について、推測される撮影時期、場所、被写体について、情報の精査を行った。特に、2022年度には、奥の情報を得ることのできなかったセブでの映像について、セブ島でのフィールドワークを通して、現地の研究者 Jose Bersales氏の多大な協力を得て、多くの情報を確認し、研究を進めることができた。バギオの映像に関しては、映像を、松井家コレクションの写真、そして、同時代の同地の日本人コミュニティの膨大な数の写真や絵葉書との比較を行った。 ・年度の後半(9月-3月)は、英文ジャーナルへ投稿する原稿の準備に取りかかった。その一環として、11月27日に、5th Philippine Studies Conference in Japan (ハイブリッド)にて、パネル発表を行った。パネルタイトル"Memory and Connection under the US-Ruled Philippines as Reconstructed from Home Movies by a Japanese Migrant Entrepreneur." 各発表からは、松井家の映像が、それが在留日本人の視点をとおしているために、マニラ、ダバオ、セブ、バギオにおける、それぞれの従来のローカルヒストリーのナラティブでは語られてこなかった、あるいは注目されることのなかったさまざまな側面を示唆していることが指摘された。 ・年度末には、各自が、投稿論文の執筆を行った。また、年間を通して、メンバーが各自、多数の学会発表や招待講演等を行った。 ・このほかに、デジタルアーカイブについて、映像の各ショットとキーワードや写真を、よりスムーズに結びつけることのできるプログラミングの開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目の学会発表では、各自が、前年度は手をつけることができなかった映像も分析を行うことができた。1920-39年代のマニラ、セブ、ダバオ、バギオなどの都市の諸相について、明らかにすることができ、かつ、投稿論文の準備も進めることができたことで、順調に研究を進めることができた。しかし、コロナ禍の影響もあり、メンバーたちで、資料提供の松井家のその他の資料を持つ愛媛県大津市立博物館や、重要文化財として公開されている松井邸を訪問することができなかった。次年度に実現できることを願う。
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Strategy for Future Research Activity |
・各メンバーによる英文論文の執筆・改訂・刊行 ・デジタルアーカイブの技術的問題の解消と向上 ・映像資料や写真資料の一部を、一般にもアクセスしやすい方法で公開する方法の検討(複数の研究機関等と検討中)また、松井家資料を保存する大津市立博物館などの協力の可能性の検討 ・2023年度が本プロジェクトの最終年度になるので、次のステップ(よりグローバルに、かつ、地域密着型に行う)の準備の開始 ・映像の一部を、フィリピンの日系人コミュニティや研究者などを対象にした上映会を検討
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Causes of Carryover |
2022年度は、コロナ禍の影響で、海外在留の高齢の研究協力者が、東京での国際学会への対面参加をためらい、オンライン参加をした。また、それに伴い、メンバーによる、愛媛県大洲市の松井家資料の関連の施設への訪問を次年度に延期することとなった。そのために、旅費の予算の多くを使用する必要がなくなった。次年度の予算は以下の通り。物品 240,000円、旅費498,640円、人件・謝金260,000円、その他(英文校正500,000円)。
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Research Products
(34 results)