2021 Fiscal Year Research-status Report
Agricultural-Related Business Reforms of Thai agricultural cooperatives: Agricultural Cooperative Management Strategies in Fragrant Jasmine Rice Planting Area of Northeast Thailand
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21K12426
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
宮田 敏之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (70309516)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | タイ農業協同組合 / タイ東北部 / 香り米 / ジャスミン・ライス / 精米業 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度(2021年度)は、タイ東北部のトゥン・グラー・ローンハイ地域に位置するローイエット県農業協同組合の約30年におよぶ年次経営報告書の内、すでに収集しているタイ語の報告書の分析を進めた。当該農業協同組合の組合員数、収入、支出、利益等の全体的な動向について、資料の整理と分析をおこなった。タイでは、精米業、キャッサバイモなどの畑作、サトウキビ栽培などに関わる農業セクターにおける民間業者の競争力が大変高い。そのため、農業協同組合が農産物の生産・流通・小売りに影響力を及ぼすことが、極めて困難である。こうした中、本研究が対象とするローイエット県の農協では、まず、組合員数が1989年の539名から1998年には10倍の5474名に、2010年には8000名を超え、以後2010年代も緩やかな増加を続け2018年には8900名を超えるに至っている。利益も、1989年の89000バーツから、1989年には746万バーツ、2010年には1400万バーツを超え、2018年には3300万バーツに達している。同農協のこうした成長の背景には、組合員への融資による信用事業もさることながら、香り米の精米業と販売の拡大を通じて、稲作による利益が組合員に還元されてきたことが考えられる。今後はさらに信用事業と精米業を中心とする農協経営の利益構造に関するデータを精査し、その動向を分析していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、2021年度はタイでの海外調査ができない状況であった。そのため、タイ東北部のトゥン・グラー・ローンハイ地域に位置するローイエット県の農業協同組合に直接出向いて、2019年度以降の年次経営報告書、および、1990年代の未収集の年次経営報告書の確認と収集ができなかった。また、同農業協同組合に精米所の経営資料を閲覧することもできなかった。そのため、当初予定していた資料調査とその収集に遅れが生じている。ただし、すでに収集済みの年次経営報告書があるため、その分析を2021年度は遂行した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染拡大の影響を慎重に見極めながら、2022年度はタイでの現地調査、特に、タイ東北部のトゥン・グラー・ローンハイ地域に位置するローイエット県の農業協同組合での資料調査の可能性を模索する。同時に、ZOOM等のオンライン会議システムによるヒアリング調査の実施に向け、当該の農業協同組合側との交渉を進める。また、引き続き、収集済みの年次経営報告書の分析と統計類のデータベース作成をおこなう。
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Causes of Carryover |
2021年度(令和3年度)は、新型コロナ感染拡大が継続していたため、タイへの海外調査をすることができなかったため、旅費の予算執行が困難であった。そのため、次年度使用額が生じた。2022年度(令和4年度)は、新型コロナの感染状況や出入国規制を慎重に検討しつつ、タイへの海外調査を計画し、タイでの資料調査やヒアリング調査を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)