2022 Fiscal Year Research-status Report
LGBTQからみる現代インドネシア社会の動態解明:量的・質的手法による総合的研究
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21K12431
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木下 博子 九州大学, 留学生センター, 准教授 (60711223)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | LGBTQ / ジェンダーと政治 / 東南アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、新型コロナウイルス感染症による渡航制限が緩和されたため、インドネシアにおけるフィールド調査を実施することができた。 ①LGBTQに関する資料精査:昨年度から引き続きLGBTQに関連する二次資料を精査した。具体的には、LGBTQおよびジェンダーにかんする論文集や研究報告、研究書を購入し精査した。また、Human Rights WatchやAmnesty International等の国際人権団体が発行するレポートを入手し、東南アジアおよびインドネシアで発生しているLGBTQへの差別や暴力行為にかんする現状分析を行った。 ②量的テキスト分析:令和3年度に収集したテキスト・データを用いて、量的テキスト分析を開始した。具体的には、収集したテキスト・データをLSSモデルを用いて分析し、LGBTQに関する国家政策や宗教的言説の変容を分析した。また、新たにTwitterにおける言論分析の開始を試みるために、Twitter社にAPI利用(アカデミック用)の申請を行った。 ①の資料精査および②の量的テキスト分析の成果を2022年11月にインドネシアのスラバヤで開催された国際学会において報告した。内容は、現代インドネシアにおけるLGBTQをめぐる言論について、モラル・パニックと呼ばれる2016年からの経年変化を明らかにするために、LGBTQに関連するニュースの報道トーンの変容を追った。これによって、人びとはLGBTQに対する暴力的な弾圧は非難するものの、法的な規制には肯定的な姿勢を示すことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による渡航制限が緩和されたことを受け、国際会議への出席や現地におけるフィールドワークが可能となったが、昨年度予定していたフィールドワークや資料収集が実施できていないため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症による渡航制限が緩和されたが、航空券代金の高騰により予定していた回数のフィールド調査を実施できない可能性があるため、フィールド調査の回数を減らし、資料精査およびテキスト分析に重きを置きながら研究を推進する。
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Causes of Carryover |
フィールド調査を2回予定していたが、新型コロナウイルス感染症のため1回しか実施できなかったため。
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