2023 Fiscal Year Research-status Report
LGBTQからみる現代インドネシア社会の動態解明:量的・質的手法による総合的研究
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21K12431
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木下 博子 九州大学, 留学生センター, 准教授 (60711223)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | LGBT / 東南アジア / イスラーム世界 / 計量テキスト分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、東南アジアのLGBTQ(Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender and Questioning/Queer)の権利を主張する社会運動(以下、LGBTQ社会運動)に着目し、量的テキスト分析(量的研究)とフィールド調査(質的研究)の双方向から多角的かつ学際的に分析することによって、現代インドネシアの社会動態の一側面を明らかにする。具体的には、東南アジアの大国インドネシアを対象として、①インドネシアにおけるLGBTQやその社会運動に対する国家による政策や宗教組織による対応(言説の変容)と、②LGBTQをめぐる報道トーンの変遷を明らかにすることで、国家や宗教勢力と、LGBTQの権利を主張する社会運動との多様な競合関係を浮き彫りにし、インドネシア社会の変容のダイナミズムを解明することである。 2023年度は、以下の2点の研究に取り組んだ。まず、量的テキスト分析を用いた計量分析の実施である。昨年度に引き続き量的テキスト分析を実施した。具体的には、Twitter上からLGBTQに関連するテキストを抽出し、辞書分析を行った。次に、フィールド調査である。2023年度は、8月にインドネシアのジョグジャカルタにおいて調査を行った。具体的には、インドネシアの宗教勢力、およびLGBTQの権利保護を目的とするNGO団体、国際的人権団体への聞き取りを実施し、昨今のインドネシア社会におけるLGBTQを取り巻く状況についてのインタビューを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症が第5類に移行したことから、海外渡航のハードルが下がり現地調査を再開することができた。他方で、航空機代金の高騰や円安の影響で、現地調査に係る経費が、当初の計画段階より高騰しており、計画していた期間のフィールドワークを実施することが困難であった。そのため、Zoom等のオンライン会議ツールを利用して聞き取り調査を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度が最終年度であるため、引き続きフィールドワーク(予備的)を実施することに加え、研究成果を学術論文として刊行する活動を行う予定である。
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Causes of Carryover |
資料収集および、予定していた現地調査の回数を満たせなかったため。
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