2021 Fiscal Year Research-status Report
古代・中世の古典の舞台に関する地理学的分析と成果を活用した旅のプランの創造・提案
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21K12451
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
安藤 哲郎 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (30706776)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 舞台 / 古代 / 中世 / 古典 / 旅 / 観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021(令和3)年度は、「古典の物語の舞台に関する、複数の時期・人物・史資料にわたる包括的な考察」について取り組むため、具体的には「①古代から中世にかけての史料(古典・記録)の調査」と「②地名の整理作業とデータ化・地図化」を行う計画としていた。都の置かれた平安京の周辺には多くの物語の舞台として記述された場所があること、畿内や近江のように都から近い場所は多くの名前が記されていること、その他の地域においては、郡名や寺社、ランドマークになるような山の名が記されるケースが多いことなどが指摘できると考える。なお、郡名が多い点は今後の地図化の面では工夫が必要である。また、古代の官道に近接した場所が記されていることが多いと考えられるが、これについてはもう少し資料収集が進んだ段階でより明確になると考えられる。ただし、全体としてコロナ禍にあって資料収集が予定通りに進まなかった面がある。そのため、2022年度の研究では前年度の分をカバーする進め方ができるように計画を行っており、その成果によってはより詳細な考察ができるものと考える。 また、現時点では舞台の整理と考察の段階であるが、その先の「旅のプランの創造」の観点で考えると、舞台の広がりには偏りもあり、いくつかの舞台を組み合わせた形でプランを考えていくことも視野に入れる必要があるのではないかとの見通しを行っているが、これについても、今後の資料収集によっては変更していく可能性もある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度、新型コロナウイルス感染症流行拡大の影響を受け、出張することができたのが秋以降になったこともあり、予定していた資料収集のための出張の合計期間を短く設定せざるを得なくなった。そのため「①古代から中世にかけての史料(古典・記録)の調査」について大きな影響があった。さらにコロナ禍のために研究協力者へのアプローチが滞ってしまったこともあって、当初の計画よりもやや遅れてしまっている。これに伴い、①を前提として実施する「②地名の整理作業とデータ化・地図化」の作業にも影響があり、データ化・地図化の部分があまり進められていない状況にある。これらの状況をカバーするために、本来であれば本研究課題への従事時間を増やすことが望ましいところではあったが、授業対応や勤務先での業務のこともあって難しく、カバーするには至らなかったため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度の進捗状況に問題が起こった2つの要因、①資料集のための出張の機会が大きく減ったこと、②研究協力者への依頼が難しかったこと、の2点について、まずできるだけ解消するよう務める。①については、2021年度のような出張の制限は緩和されてくる情勢にあるため、資料収集の機会を多く設定する計画である。②についても、複数人に時間をずらして調整しながら依頼することで、密にならないように工夫しながら進めることを考えている。 ただし、上記は情勢により影響を受けやすいため、できるだけ研究代表者自身が本研究課題に従事できる時間を増やすことにより、②の研究協力者が得られにくい場合にカバーできるようにしたい。従事時間については、夏以降に増やせるように計画を行っている。また、出張の機会についてもできるだけ増やせるようにしたいと考えているが、例えば3泊4日の想定した設定ではなく、2021年度も実施した方法であるが短い日程でも実施できるように組み直すことも考えることとする。 加えて、2022年度は整理を行ったものについて論文等で報告できるように準備する。
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Causes of Carryover |
2021年度はコロナ禍の影響から秋頃まで出張を実施することができず、秋以降に実施せざるを得なかったが、授業や業務のない日程で実施する必要があったために、予定していた3泊4日での資料収集調査ができなかったため、旅費に残額が生じた。また、研究協力者への依頼を行いにくい部分があったため、謝金に残額が生じた。 2022年度は出張を実施できる情勢にあるため、当初予定よりも増やした形で実施したい。また研究協力者への依頼も実施しやすくなってきているので、こちらも機会を増やせるように計画して実施する。
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