2021 Fiscal Year Research-status Report
機械学習に基づく中核都市(姫路市)観光振興システムの開発
Project/Area Number |
21K12458
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
上浦 尚武 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (80275312)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 観光資源価値評価システム / 観光振興 / 機械学習 / 中核都市 / 観光ルート生成システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では姫路市を対象とし,(1) 個人旅行における観光ルート作成システムの開発,(2) 訪日外国人の旅行分布に基づく観光資源価値評価システムの開発,以上を主要研究テーマとする. (1)では,観光客個人の嗜好に合わせた観光スポットを列挙するとともに,それらに対する周遊ルートの作成・提供が可能なシステムを開発する.本システムでは,ユーザが興味のあるジャンル(訪問スポットを決定する際に考慮する可能性の高い項目)を入力する.ジャンルは,「日本らしさ」,「写真映え」,「有名さ」,「安さ」,「アクセスの良さ」,「混雑具合」を使用する予定であるが,現在はそれら以外に適切な項目があるか精査中である. (2)では,評価対象である国以外の出身の外国人旅行者に対するデータを基に,市内各地区に対する観光価値定義システムを開発する.令和3年度は,NTTドコモ販売の姫路市国籍別旅行者分布データを用いた.分布データはエリアコードを有し,そのコードで特定される地区を訪れた外国人旅行者国別人数がデータの要素値とされる.また,新定義ツールとしてサポートベクターマシン(SVM)を用いた.まず調査対象国を定め, 次に分布データのうち,調査対象国からの観光客が訪れている地区のコードを有するデータに正解クラス,訪れていないエリアに不正解クラスとラベルを与えた.ラベル付与後,それらを印加し,SVM学習によりデータ識別器を完成させた.そして,識別器に調査対象国の要素値が外されたテストデータを与え,それらのクラス分けを行う.クラス分類されたテストデータもエリアコードを有する.提案システムでは,正解クラスに分類されたデータのエリアコードによって指定される姫路市内の地区を,調査対象国出身旅行者にも訪問価値があると推定する.以上により分類された結果を地図に示すことで,視覚的に観光価値があるエリアの傾向や特徴を捉えやすくなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個人旅行用観光ルート作成システムでは,ユーザが興味のあるジャンル(訪問スポットを決定する際に考慮する可能性の高い項目)を入力する.ジャンルは,「日本らしさ」,「写真映え」,「有名さ」,「安さ」,「アクセスの良さ」,「混雑具合」などを使用する予定である.提案システムでは観光スポットをジャンル別に得点付けし,得点上位の数か所のスポットに対する周遊順序決定する.現状は,各観光スポットに対する評価点を姫路観光ナビポートの外国人観光客に対するインタビューから得られた傾向に基づき決定しており,インバウンド対策として完成しつつある. 訪日外国人用観光資源価値評価システムでは姫路市内1km四方のメッシュについて観光価値再定義する.まず,購入したデータについて,季節とエリアコードで特定される1次元数列に再構成する.対象国数は45であるため,数列は45次元,その各要素は国名,要素値はメッシュ訪問人数に等しい.次に,調査対象国を定め,各45次元ベクトルに対し,調査対象国に該当する要素値が0ではないならば,そのベクトルにラベルとして正解クラスを与える.一方,要素値が0ならば,不正解クラスとする.その後,調査対象国をベクトルの要素から外す.これにより得たラベル付きかつ要素数44のデータを学習データとして使用し,SVM識別器を完成させる.調査対象国対応テストデータは,学習データと同様に生成する.すなわち,テストデータでは調査対象国に関する要素値が省かれ,次数は44となる.各テストデータには,エリアコードが付されている.提案システムでは,テストデータを正解,不正解の2クラスに分類する.あるテストデータが識別器により正解とされた場合,同データのエリアコードによって指定される地域を,調査対象国出身旅行者にも観光価値があるとみなす.最後にFoliumにより分類結果を地図に示す.以上のシステムを構築している.
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Strategy for Future Research Activity |
個人旅行用観光ルート作成システムでは,各観光スポットに対する評価点を姫路観光ナビポートの外国人観光客に対するインタビューから得られた傾向に基づき決定している.これはデータ数が多いとは言えないインタビューを基準にしている点で問題がある.そこで,旅行サイトTripAdivisorおよびGoogleで入手できる姫路市内観光スポットに対するコメントに着目する.まず,CBOWモデルの作成時に与えられるWikipedia全文のデータとジャンルとのコサイン類似度を計算し,類似度上位10個の単語を選出する.これにより各スポットについてジャンルと親和性の高い単語が抽出されることとなる.提案システムでは,各スポットに対するコメントの選出単語出現頻度を,同スポットに対する得点とする.以上により,インタビューのみを基準とする現行システムよりはるかに客観性において勝る観光ルート作成が可能となるだけでなく,日本人観光客の嗜好にも合致するシステムが構築できる. 訪日外国人用観光資源価値評価システムでは,データ生成を大きく改良する.現状では,NTTドコモ・インサイトマーケティングから購入するモバイル空間データをなす全ての国(45カ国)がデータの要素として主に採用されている.この場合,国ごとの観光客数(すなわち,データ要素値)の差が大き過ぎ,資源評価のためのデータクラスタリングに悪影響を与えている可能性が高い.姫路コンベンションビューローは,フランス,イギリス,ドイツ,スペイン,シンガポール,オーストラリア,アメリカを大きな観光出費を期待できる重点市場国と位置付け,ビューロー会員である観光事業者と共同で観光客誘致プロモーション活動を行っている.そこで,データ要素としてこれら7カ国のみを採用し,システムを調整する.また,データクレンジングおよび観光価値にレベルを設けた多クラスデータ分類の導入も検討する.
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Research Products
(2 results)