2023 Fiscal Year Research-status Report
世界自然遺産登録地小笠原の観光ガイド制度の実態把握に基づく資源管理モデルの提案
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21K12475
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
武 正憲 東洋大学, 国際観光学部, 教授 (30724504)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 観光ガイド / 文献調査 / 石門ルート / 森林生態系保護地域 / 陸域ガイド / 東京都自然ガイド制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の世界自然遺産登録地では観光ガイド登録制度が運用されている。登録される観光ガイドは経済的利益を得つつ、当該地域の環境保全に貢献することが期待されている。本研究は世界自然遺産登録地小笠原を事例に、観光ガイド登録制度が観光ガイドの経済的便益確保と環境保全を両立しているかを、社会科学的調査手法によって管理者側と観光ガイド側の両側面から課題を明らかにすることを目的とする。 日本における観光ガイド従事者に関する過去20年の研究内容を分析し、その動向を把握した。2023年3月7日に、国立研究開発法人科学技術振興機構が運営する電子ジャーナルプラットフォーム「J-STAGE」で、観光ガイド従事者に関係する論文を検索した。。「ガイド」を含む検索では、医学・工学系における医療技術に関する研究が多数確認できる。そこで、観光に関わるガイド従事者に関係するかどうかを確認し、ダウンロード可能な42本を分析対象とした。年ごとの集計結果から、出版される文献数にあまり違いが見られず、観光ガイド従事者に関する研究自体、ここ20年間はそれほど盛んではないことが示された。観光ガイド従事者に関する研究は、エコツアーによる環境保全といった「ガイド従事者の周辺状況に関する貢献」と、ガイドスキル向上といった「観光ガイド従事者の活動自体に関する貢献」の二つに大別された。 小笠原母島における森林生態系保護地域内で入域規制が行われている石門ルートのガイドツアーに参加し、現地の状況把握を行った。環境省レンジャー、都レンジャー、東京都自然ガイド制度(陸域ガイド)認定ガイドへのヒアリング調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響により実施できなかった現地調査を再開できた。しかし、研究計画の遅れを十分にを取り戻すことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
小笠原父島での現地調査を行い、現地で運用されているガイド制度の仕組みを明らかにする。さらに、比較対象の世界自然遺産登録地の選定については、文献調査を優先してすすめ、適した比較対象地を継続して選定する。遅れている研究計画を遂行するため、研究協力者からの助力を得て、アンケート調査や分析の速度と精度を高めるように努める。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響により2022年度に実施する研究計画に対応した予算を、2023年度内に使用することができなかった。当初の研究計画が十分に遂行されていないことから、2025年度に補助事業期間延長することにより、研究計画を達成することを検討している。
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