2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on the promotion of social acceptance of games/e-sports by means of mega-marketing approach
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21K12486
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
川又 啓子 青山学院大学, 総合文化政策学部, 教授 (00306854)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メガマーケティング / eスポーツ / ゲーム / 社会課題解決 / スティグマ製品のマーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度も引き続きコロナ禍の影響を受けた。eスポーツを公式種目として採用する第19回杭州・アジア競技大会は2023年度に延期されたため、国内におけるeスポーツを中心に研究を行った。 2021年度に刊行した日本由来のポップカルチャーのメガマーケティング戦略に関する論考(『ジャパニーズポップカルチャーのマーケティング戦略』千倉書房)を深耕し、社会課題を解決するために知的財産を活用する事例からなる書籍(『知的財産で社会を変える』同友館)を編集することができた。スティグマ製品にポジティブな意味づけをする可能性をもつeスポーツを活用して、社会課題を解決する事例として、障がい者の社会参画の窓になるユニバーサルeスポーツの実践(国立病院機構北海道医療センター)についての章を担当した。 これまでにない実績として、eスポーツを文化のデジタルトランスフォーメーションの事例として捉えるという視点から、「文化のDXを考える~CulTech Forum Japan2022~」(国際大学GLOCOM)にシンポジストとして登壇した。 eスポーツの研究会は2回開催した。1回目は、2021年度に続き、もっともハードルが高いと思われる学校現場での実践(高校の部活動としてのeスポーツ)について、高等学校の先生方から生の声を伺う機会を得た。2回目は、前出のCulTech Forumから着想を得て、新しいテクノロジー(メタバース、NFT/非代替性トークン)がゲームに与える影響について、外資系ゲーム会社代表(当時)とメディア論の研究者を交えて研究会を開催した。 これらに平行して、自治体におけるユニバーサルeスポーツの実践、ゲーム障害、マーケティング・エクセレンスの研究会を継続的に開催して研究を推進した。コロナ禍の3年間でeスポーツ(とりわけ産業面)を取り巻く環境が大きく変わったことを実感することになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響で、第19回アジア競技大会(中国・杭州)は延期されたものの、国内を中心にスティグマ製品のマーケティング(メガマーケティング)に関する研究を深耕して、書籍1、研究会2、紀要論文1、報告書1、シンポジスト1として、公表することができた。 (1)『知的財産で社会を変える』青山学院大学・知財と社会問題研究所編、同友館(2022年12月) (2)研究会:eスポーツ×教育の最前線:シンポジウム「高校eスポーツ部のリアル」(2022年11月14日、オンライン開催)*紀要論文として公表(以下(4)参照) (3)研究会:新しいテクノロジーはゲーム/eスポーツをどう変えるのか(2022年12月3日)*報告書をhttps://www.mediaxaoyama.net/にて公開予定 (4)その他:「シンポジウム eスポーツ×教育の最前線 :高校eスポーツ部のリアル」『青山総合文化政策学』14(1),101-135,2023-03 (5)シンポジスト:文化のDXを考える~CulTech Forum Japan2022~(2022年5月17日、国際大学GLOCOM)
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、新型コロナウィルス感染症に関する制約が大幅に緩和されることから、海外出張を中心に研究を行う予定である。平行して、マーケティング・エクセレンス、ユニバーサルeスポーツの実践等の研究を継続し、eスポーツと社会との関係性に関する研究の書籍化を目指す。 (1)世界3大ゲームショウの中でも最大規模であるGamescom(ケルン)の視察を予定している。ドイツは欧州最大のeスポーツ市場であるが、メーカー(ゲーム会社)主導ではなく、流通(プラットフォーマー:ESL=Electronic Sports League)主導であるといわれている。eスポーツ先進国(中国・米国・韓国)とは異なる市場の視察を通して、日本型への示唆を得たい。もし、日程調整ができれば、eスポーツを使った地域創成の成功例として有名なポーランドのカトヴィツェ市の視察も行いたい。 (2)eスポーツが初めて公式競技として採用される第19回アジア競技大会(中国・杭州)の視察を予定しているが、2023年3月になってから、eスポーツの公式ゲームタイトルが変更される(主催者とゲーム会社間での契約不成立)といった事案が発生しているため、不確実性が高いことに留意しつつ、研究を進める。 (3)コロナ禍はeスポーツにも少なからず影響を与えたが、とりわけ産業面では、コロナ前の盛り上がりは急速にしぼんでしまったように思われる。そこで、eスポーツを活用して社会課題を解決するといった、社会的な側面に注目して、地域創生、ユニバーサルeスポーツ、観光等、eスポーツと社会との関わりについて研究を推進する予定である。 (4)マーケティング・エクセレンス、ユニバーサルeスポーツ他の研究を継続する。
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Remarks |
シンポジスト:文化のDXを考える~CulTech Forum Japan2022~(国際大学GLOCOM主催 2022年5月17日)
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