2021 Fiscal Year Research-status Report
コロナ時代の新たな都市農業:ICTが拓く可能性とその社会インパクト
Project/Area Number |
21K12487
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
古田 尚也 大正大学, 社会共生学部, 教授 (40727856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 洋佳 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00355489)
齋藤 知明 大正大学, 人間学部, 専任講師 (80646224)
高瀬 顕功 大正大学, 社会共生学部, 専任講師 (90751850)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 都市農業 / ICT / COVID-19 / 社会インパクト / 伝統野菜 |
Outline of Annual Research Achievements |
プロジェクトのキックオフに伴い、キックオフミーティングをプロジェクトメンバーが集まって開催した。 当初、都市農業・家庭菜園に活用することを想定したSNSソフトとして、仙台高専で開発されたスマホ用アプリ「農園ノート」を試験的に使用したが、我々の目的には機能やユーザーインターフェイスが適していないことが判明した。このため、当初の研究計画通りにモンドワークスが開発を行っていたウェブアプリ「農とブック」をベースとして改良を行うことを基本方針として定め、そのユーザーインターフェイスの改良や、グループ機能、QRコードによるデータ入力支援機能、外部リンクとの接続機能などの機能拡張と改良を行いつつ、それを使った試験的実験を開始した。 また、南三陸町と連携をして移動式の小型レイズドベッドの試作を行ったほか、農園へのリモートカメラやLoRaWANを使ったセンサーシステムの実証実験などを行った。 12月には日本型の「ベジタブル・ツーリズム」を実践すべく、大正大学やその周辺の巣鴨・滝野川地域における観光資源と大正大学内の農園を活用し、この地域が種子屋街道と呼ばれるほど種苗業が盛んであった歴史を活用したイベント「種子屋街道さんぽ市」を開催し、農園ツアーなどの実証実験を行った。また、この「種子屋街道さんぽ市」では、来訪者を対象としたアンケート調査を実施し、都市農業の有する社会価値を測定するための基礎的データを収集した。文献調査を通じたインパクト評価に関する方法論の検討も開始した。 また、こうした活動や研究について、学会や研究会などでプレゼンや講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SNSソフトの開発について、年度前半は仙台高専のソフトを使うことを試みたが、うまくいかなかったために、方針を当初通りにもどして進めることとした。このため、ソフトウエアの改良作業についてはスタートが遅れたが、その後効率的に作業を進めることができたので、当初の予定通りの作業進捗となっている。ただし、ソフトウエアの機能がまだ完全ではないので、外部グループへの供与や試験については行えていない。インパクト評価については方法論の検討を開始するとともに、12月に開催された「種屋街道さんぽ市」でベースラインデータを取得した。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、SNSソフト「農とブック」の改良と試行に重点を置いて、研究を推進していく。今年度から、近隣の小学校や児童グループなどに対して農業活動を支援することになったことから、こうしたグループでの活用ができないかどうかについても検討をおこなう。また、「種屋街道さんぽ市」は今後定期開催の計画もあることから、それに合わせた社会インパクトデータの取得を行っていく計画である。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で旅費が必要なくなり、その他の研究目的に活用したが、それでも残額が生じた。
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Research Products
(7 results)