2021 Fiscal Year Research-status Report
The study on value co-creation in gastronomy tourism
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21K12492
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Research Institution | Heian Jogakuin(St.Agnes')University |
Principal Investigator |
尾家 建生 平安女学院大学, 国際観光学部, 教授 (30441124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 剛司 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (80812966)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ガストロノミーツーリズム / 価値共創 / フードトレイル / フードコミュニティ / コンヴィヴィチュアリティ― |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究計画の中心であったキコリ谷テラスの「収穫祭」が新型コロナの影響で中止となったため、価値共創の予備的調査が予定通りに実施できなかったが、アンケート調査の方法や対象については主催者との打ち合わせでほぼ準備をすることができた。また、京丹後市内で2021年10月に実施された「京丹後ガストロノミカ2021―京丹後の食を共創する」に参加し、生産者、料理人、流通関係者、観光関係者等のステークホルダーの実態を把握することができた。オーガニック農業については、関係者にインタビューはできたが、オーガニック農業がガストロノミーツーリズムの形成や価値共創における意味の考察は十分できてない。理論研究面では、グレッグ・リチャーズの論文(2021)Evolving research perspectives on food and gastronomic experiences in tourismを援用して京丹後市の観光事業の歴史的推移をたどり、ガストロノミー体験における生産者志向―共創―フードスケープの三段階の世代変化をまとめることができた。その結果、京丹後市の2つのガストロノミー志向のフードコミュニティーといえるフードイベントにおいて、コンヴィヴィアルなコミュニティの形成の兆候が見られることが見いだされた。そうした要因に、同地でクラフトビールの醸造所が3軒起業したことがあげられ、新しい味覚が寄り集まる場所(トポス)の発生が観察できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた予備的調査が新型コロナによるフードイベントの中止により半年遅れの本年度の5月に実施の予定である。また、関連する国内視察が不十分であったが、これも本年度内に実施をしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の中心となるガストロノミーツーリズムにおける価値共創の実証的研究のデーターを得るためのステークホルダーへのアンケート調査、消費者へのヒヤリングを鋭意進めることと、併せて、新型コロナによるマーケットの変化を探る必要があるのではと考え、一般消費者とフードツーリズム需要の動向調査を検討している。また、ガストロノミーの新しい価値の創出として発酵と観光の関係に注目しており、供給者と消費者の価値共創における新しい要因としての発酵事業者にも注視したい。
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Causes of Carryover |
予定していた国内視察が、コロナ禍により実施できなかったため、実施を次年度に移行した。
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