2022 Fiscal Year Research-status Report
クリエイティブツーリズムによる観光の再構築とSDGsの実現に向けた比較研究
Project/Area Number |
21K12495
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Research Institution | Kanazawa Seiryo University |
Principal Investigator |
竹谷 多賀子 金沢星稜大学, 経済学部, 准教授 (60827442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 雅幸 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (50154000)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | クリエイティブツーリズム / SDGs / 創造的過疎 / 創造農村 / 文化観光 / ポストコロナ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ユネスコ創造都市において推進されているクリエイティブツーリズムによりポストコロナ時代の観光の再構築と「SDGs達成」にむけた取り組みの過程を考察し、その成功要因と課題を検討するものである。 そこで、令和4年度は、SDGs未来都市であり創造的過疎でもある石川県珠洲市を事例として、クリエイティブツーリズムの取り組みが地域のSDGsの貢献や持続的発展に寄与する観光として有効であるかどうかを問うことを目的とした。研究の方法としては、文献調査と現地調査、アンケート調査、インタビュー調査をもとに検証と考察を行った。 あわせて、クリエイティブツーリズムの導入的形態としてのアートツーリズムの視点から地域の持続可能な発展について検討し、新たな文化観光の在り方に光を投げかけた。調査結果から、地域住民にとって、アートツーリズムに対してかなり好意的であり、特に、芸術祭に参加した者の方が、参加していない者よりもそうであることが確認された。さらに、アートツーリズムを行うことにより、経済的効果と社会的効果が期待されることに加え、住民の自信や誇り、幸福度が高まることも確認された。また、インタビュー調査結果からは、地域への誇りや愛着、アイデンティティの形成はもとより、楽しみや感謝、健康増進、幸福感を得る効果がみられたこと等、地域の持続性に寄与する可能性も確認できた。 このような住民の認識を「政策」という観点から読み解いていくと、芸術祭やアートツーリズムを機に移住活動の成功に間接的な影響をもたらす可能性が示唆された。 本研究の成果は、2022年9月発行の『金沢星稜大学経済学論集Vol.56(1)』に掲載された。 さらに、クリエイティブツーリズムを地域政策として推進する兵庫県丹波篠山市に加え、文化観光の発展形として参考に資する京都市や沖縄県、越前市、豊岡市の取り組みを本研究の手がかりとして参考とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度においては、上半期にコロナ禍におけるまん延防止等重点措置の発出がなされたことにより、計画からやや遅れている状況である。この現状を踏まえ、本研究の期間延長を申請する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
兵庫県丹波篠山市においては、現在進めている実施調査を中心に、創造農村におけるクリエイティブツーリズムは、地域の持続発展に寄与する観光として有効であるかどうかを確認し分析を発展させる予定であり、本研究のさらなる精緻化を目指す予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍における行動制限により研究計画がやや遅れたことから次年度使用額が生じた。これを踏まえ、次年度は、前年度との計画と精査を行いながら研究を進める予定である。
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Research Products
(1 results)