2021 Fiscal Year Research-status Report
Achievements and Remaining Challenges of Second Wave Feminism in Japan: Towards a Theoretical and Empirical Review
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21K12500
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
佐藤 文香 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (10367667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 有紀 武蔵大学, 社会学部, 教授 (70323730)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | フェミニズム / ジェンダー / ウーマン・リブ / 歴史叙述 / インターセクショナリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は共同研究の発足にあたり、課題意識の強化をはかるため、5月のキックオフミーティングを皮切りに研究会を組織した。メンバーには研究代表者および研究分担者の研究室の大学院生5名に、ゲスト数名を加え、計8回の研究会を開催した。 研究会の開催にあたって、意図した目的は大きく二点ある。第一に、第二波フェミニズムへの批判的言説の読解を通じて、どのような主張がどのように問題とされてきたのかを把握すること。第二に、理論的検討のために、インターセクショナリティに関する重要な英語論文の読解を通じて、これまで、この概念をめぐってなされてきた議論の蓄積を理解することである。これらの趣旨に照らして、研究会には毎回、フェミニズム理論に詳しいゲスト数名をお招きし、活発な議論をすることができた。 また、実証研究として、第二波フェミニズム当事者へのインタビューも進めた。研究協力者の平井和子氏による「家庭科の男女共修を進める会」の半田たつ子さん、静岡のべ兵連(ベトナムに平和を!市民連合)の活動からウーマンリブに参加し女性だけのコミューンで共同の子育てを実施した山田久美子さんへの聞きとり調査を実施することができた。これらのインタビューのトランスクリプトを読むことは、特に若い世代の大学院生にとっては、第二波フェミニズムを生きた当事者たちの生の声を知る貴重な機会となった。 これらの成果は、研究代表者・佐藤文香と研究分担者・千田有紀によって、“International Sociology”と『社会学評論』の論文として掲載することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、文献研究とインタビュー調査を用いたアプローチをおこなうものであり、コロナ禍ではあったが、いずれも順調に進行しているところである。特に8回のオンライン研究会は毎回さまざまなゲストとの交流が大学院生にとって貴重な学びの場になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度以降も、文献研究としては、第二波フェミニズムへの批判的言説の読解および、理論的検討のためにインターセクショナリティをはじめとする英語論文の読解を続ける。コロナ禍でインタビュー調査が上手くすすまないことを勘案し、文献研究として第二波フェミニズムの担い手によるテクストの読解も含めることとした。当面、クローズドの研究会の開催を続ける予定であるが、ネットワークを広げ、日本女性学会や日本社会学会でワークショップ/分科会の開催に向けて準備をすすめる。また、重要英語文献の翻訳論文集を出版することを検討している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染状況により、予定していた学会がすべてオンライン開催となり、旅費が不要となった。未使用額は、実証研究担当の研究協力者の調査地への旅費として利用予定である。
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Research Products
(4 results)