2021 Fiscal Year Research-status Report
現代イランにおけるジェンダーと家族-イラン民法と家族保護法の運用実態
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21K12503
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
森田 豊子 鹿児島大学, グローバルセンター, 特任准教授 (10791113)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イラン / ジェンダー / イスラーム / 子どもの権利 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、イランなどでの海外調査および学会発表などを行うことができなかった。これまでの調査・研究に基づき、下記のようなコラムの執筆および研究発表を行った。 1)田村慶子・佐野真由子編著『変容するアジアの家族』明石書店、2022年3月(担当部分:コラム3台湾における外国人労働者と家族の変容(106-107頁):コロナ禍がなければ2020年に調査研究をして、台湾におけるムスリムについての調査研究をする予定であった。台湾では、日本と同様に少子高齢化が進み、高齢者介護などのケア労働者の不足が続いている。その不足を補うためにインドネシアなどのムスリム諸国からの外国人労働者を台湾は受け入れている。調査ではこれらの外国人労働者の受入れについての台湾の現状と、そのような受け入れが台湾のムスリム社会に与える影響について調査する予定であった。 2)研究発表:森田豊子「イランの女性と結婚」横浜市立大学ジェンダー研究会「イスラーム世界の女性たちと日々の生活:結婚・装い・美容」(2021年12月26日オンライン):この研究発表においては、現代イランにおける家族の変容について、さらに、2013年に制定された家族保護法が家族の変容にどのような影響を与えてきたのかについて論じたものである。 3)研究発表:森田豊子「イラン家族保護法:成立の経緯と特徴的ないくつかの規定について」第16回近代中央ユーラシア比較法制度史研究会(2021年7月3日オンライン):こちらの報告において、イランの家族保護法の歴史的な成立の経緯と、家族保護法において重要な規定である和解不能証明書について、さらに一時婚についての規定とイランにおける現状について論じたものである。今後はこれらの研究実績を元にして、現場における変化についての参与観察を行った研究を続けたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オンライン実施が定着したため、2つの研究発表ができたものの、2021年度は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、海外での調査ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究推進方策は下記の通り。1)2022年9月に昨年実現できなかった国際人類学会中東部門で「日本における中東からの移民の現状分析」の研究発表を行う。 2)2022年5月および11月にイラン・イスラーム共和国でイランの家族法廷の現状についての調査を行う。また、今後共同研究を行うイスファハン大学のDr.Naghaviと協議する。 3)日本におけるムスリム移民について、およびイランの家族の変容についての共著の一部となる論文の執筆。
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Causes of Carryover |
2021年度は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、海外での調査ができなかったが、次年度の使用計画は以下の通り1)2022年9月に昨年実現できなかった国際人類学会中東部門で「日本における中東からの移民の現状分析の研究発表を行う。2)2022年5月および11月にイラン・イスラーム共和国でイランの家族法廷の現状についての調査を行う。また、今後共同研究を行うイスファハン大学のDr.Naghaviと協議する。3)日本におけるムスリム移民について、およびイランの家族の変容についての共著の一部となる原稿を書く。
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