2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K12506
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Research Institution | Tokyo Seitoku University |
Principal Investigator |
水谷 清佳 東京成徳大学, 国際学部, 准教授 (50512117)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 妓生 / 大韓帝国期 / 日本植民地期 / 『朝鮮開花史』 / 『朝鮮風俗集』 / 『朝鮮解語花史』 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、妓生の定義に関する再検討、妓生史及び妓生象が曲説されていった系譜について整理した。 『高麗史』『高麗史節要』『朝鮮王朝実録』及び大韓帝国期及び日本植民地期の近代新聞などに掲載された妓生関連の記事をもとに妓生の本質と実態をまとめると「妓生は高麗時代から朝鮮時代、大韓帝国期、日本植民地期とその後も国家の礼式と公私行事などで歌・舞・奏を担当、詩・書・画にも長け、伝統芸術文化である呈才と女楽を継承・発展・近代化・大衆化させた韓国を代表する伝統的な専門女性芸術人である」と定義できる。しかしこのような妓生史と妓生像は、著書及び研究によって曲説され、その期間は大韓帝国期を始点とする3つの期間に分類できることを指摘した。 ①大韓帝国期と日本植民地期においては特に恒屋盛服『朝鮮開花史』(1901年)、今村鞆『朝鮮風俗集』(1914年)、李能和『朝鮮解語花史』(1927年)の著書により、②植民地解放後から1980年代後半においては『朝鮮解語花史』の内容に対し適否の検討なしに引用が繰り返され、妓生の実態と概念の整理が十分ではない状態で公娼制度と近代妓生制度を混同した研究により、③1990年代から2010年代中盤においては公娼制度・ジェンダー・セクシュアリティ・フェミニズム・性売買制度などを扱う一部女性学関連の研究者らが、刺激的でセクシュアルな内容を扱った少数の記事を取り上げて意図的または非意図的な方法で研究を行ったことにより曲説されていったことを明らかにした。 本研究の内容は近年の妓生研究動向及び今後の研究方向性とともに学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は研究を一時中断したが、中断前までの研究が当初以上に進展していたため、それらのデータをもとに研究を遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、既存の妓生研究者たちが妓生は帝国日本により強制的に公娼制度で管理され、娼妓と類似した存在に転落したと主張する根拠は何であり、どこからそのような見解が始まったのかという本研究課題の核心に立ち戻り、大韓帝国期と日本植民地期における帝国日本と妓生の近代化に関する論文を執筆する予定である。そこで「妓生は帝国日本により娼妓化・低級化されたのか」という問いに対し、『妓生及娼妓ニ関スル書類綴』の誤読・曲説、妓生団束令及び娼妓団束令の混同、近代式妓生制度と公娼制度の概念の未区分、性病検査・団束・妓生組合に対する誤認と誤解、帝国日本による新しい妓生制度の成立過程について近代新聞、官報、各種法令及び細部規則等をもとに分析し、朝鮮の妓生に対する帝国日本の態度を明らかにすることで、帝国日本は朝鮮の妓生集団の近代化に肯定的な影響を及ぼしたことを証明する。 以上の計画より研究が進んだ場合は、『妓生及娼妓ニ関スル書類綴』の妓生に関する書類の再構成についての研究を行い、最終的なまとめとする予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度は研究を一時中断していたため次年度使用額が生じたが、2024年度は2023年度当初の計画どおりに使用する予定である。
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