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2022 Fiscal Year Research-status Report

平和構築・復興プロセスとジェンダー:女性兵士の処遇をめぐる政策議論と決定プロセス

Research Project

Project/Area Number 21K12507
Research InstitutionInternational Christian University

Principal Investigator

高松 香奈  国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (10443061)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords平和構築 / 女性兵士 / UNSCR1325 / ジェンダー / DDR
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、特に武装勢力に焦点を当て、女性兵士(戦闘員)の処遇(主に紛争後の処遇)が、政策文書でどのように位置付けられているのか。そして、文書策定環境(WPSアジェンダに応答するように、政策文書を作成する組織(政府)の意思決定に女性がどの程度参画しているのかという記述的な代表)がどのように影響をあたえているのかについて考察をしている。
政策文書をテキスト分析で考察してみると、特に近年の政策文書は、限定的ではあるが女性の元兵士(戦闘員)の認知を関係者に促す記述が増加傾向がある。しかし、女性の意思決定プロセスへの参加が依然として十分ではないため、政策文書にどの程度影響を与えているのかについては更なる研究(プロセスへの質的研究)が不可欠といえる。一方で、DDRの実践においては、女性兵士(戦闘員)は依然として不可視化される傾向が続いているといえよう。例えば、武装組織のメンバーを紛争終結後に国軍へ統合させるような計画においても(military integration of ex-combatants)、女性の元兵士(戦闘員)の排除は、顕著に、そしてデフォルトのように行われていることが指摘できる。この、政策文書と現状のギャップについては、そもそも女性の軍への参加については、女性のエンパワーメントや地位の向上、ジェンダー平等に資するものではないという指摘が多く示されてきたが、女性の従軍と軍との相互影響については、必ずしも明確ではない。女性兵士に対する意識は、軍のあり方にも、そして政策決定プロセスに関わる人の意識にも影響を与え、ひいては女性兵士の処遇に影響するため考察は不可欠である。そのため、女性の従軍の是非の議論ではなく、「武力行使する組織」での女性兵士(戦闘員)がどう位置付けられ、また女性の参加が軍にどのような影響を与えるか、追加的に相互の影響を検討した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2022年度に実施を予定していたテキスト分析部分については、当初の計画通り進捗が見られたが、2021年に遅れた研究範囲、そして政策文書のテキスト分析の結果、追加的に必要と認められた議論は、2023年度も継続的に実施している状況である。ただ、2023年度夏までにはこれらの遅れを取り戻すことができると考えている。

Strategy for Future Research Activity

政策文書のテキスト分析についてはかなり広く実施した。一方で今後の課題としては、1)意思決定に関わる女性の増加が、政策文書の内容にどの程度影響を与えているのかについては更なる研究が不可欠といえる。この点については、より質的な研究手法が重要となってくると考える。具体的には、ポストコンフリクト国の政策立案者へのキーインフォーマントインタビューの実施などを予定している。
また、追加的な課題としての2)軍および政策決定プロセスに関わる人々の、女性兵士(戦闘員)に対する意識と、女性兵士(戦闘員)の軍や安全保障に関する意識については、継続的に調査が必要であり、2023年度は上記1)と同様に、キーインフォーマントインタビューの実施や女性の元兵士(戦闘員)への聞き取り調査も検討している。
2)の部分については、当初の計画では組み込まれていなかった部分であるが、テキスト分析の結果をフォローする意味でも、そして実態を把握する意味においても極めて重要と考えている。また、これまでの科研の支援を受けて行なった研究と関連するため、インタビューの計画や対象者の選定には問題はないものと考えており、研究を継続的に行なっていきたい。

Causes of Carryover

理由は主に2つある。まず、国際学会への参加ができなかったこと、そして国内学会への参加等が東京都内およびオンライン等で行われたことから、渡航費等の支出がなかったことによる。そしてもう一つは、資料の入手はオンラインで行なったが、オンラインではアクセスできない資料もあった。これらの資料については、本来であれば海外渡航でのデータコレクションが必要であったが、2022年度時点では渡航が難しい状況にあった。これらについては、2023年にフォローができると考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] ミャンマー・ディアスポラと政治的活動2022

    • Author(s)
      高松 香奈
    • Journal Title

      国際開発研究

      Volume: 31 Pages: 19~34

    • DOI

      10.32204/jids.31.1_19

    • Open Access

URL: 

Published: 2023-12-25  

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