2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on tunable wavelength optical vortex source in high-power terahertz coherent transition radiation
Project/Area Number |
21K12539
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
境 武志 日本大学, 理工学部, 准教授 (20409147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清 紀弘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (20357312)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | テラヘルツ波光源 / 高強度コヒーレント遷移放射 / 光渦 / 電子リニアック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自由電子レーザー発生に用いている電子線型加速器で100MeVまで加速され短バンチ化された質の良い電子ビームを金属ターゲットに当てることで生成されるテラヘルツ帯遷移放射の技術を応用したテラヘルツ帯遷移放射の光渦を生成させることを目的としている。厚さ方向の位置が可変な短冊状の金属ターゲットをらせん状に配置する方法で光渦の生成を検討しており、初年度は固定ターゲットの設計と可変機構を用いたターゲット設計を検討していた。固定ターゲットに関してはSi基板にTiやBeもしくはAlなどの金属を蒸着したものでターゲットを製作し、それを用いた可動機構の検討を予定していたが、Si基板の加工、蒸着が当初検討していた方法や予算内では難しく、TiもしくはAlの板などの中心部のみを簡易的に加工することで固定ターゲット製作は進めることとし、再検討を行った。ターゲットサイズ、固定部に関してはチェレンコフ放射用ターゲットの導入機構の上部に取外し可能な取付け台の設計を行い、現状の機構と共存可能な講造とした。ターゲット部分の可変機構に関しては、レーザーシャッターなどに用いられている機構を参考に改造して検討を進めている。測定系に関しては、施設のユーザー利用実験などのマシンタイムも併用して、分光測定系や干渉計の構築、手持ちのバンドパスフィルターを用いたテスト、THz帯のカメラを用いた測定系のテストを進めた。現状はターゲット製作に関して予定より進捗が遅れている状況で進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、日本大学電子線利用研究施設の100MeV電子線形加速器を用いて、テラヘルツ帯での高強度コヒーレント遷移放射における波長可変な光渦光源のシステム開発を目標としており、初年度はSi基板にTiもしくはBe、Alを蒸着した固定ターゲット製作と可動機構の検討を予定していた。Si基板を加工し、その基板に予定していた金属を蒸着することが予算内では難しくなり、TiもしくはAlの板を中心部のみらせん状に簡易的に加工することで固定ターゲットは進めることとし、ターゲット講造に関しては当初考えていた講造から変更することで再検討を行った。ターゲットのサイズは予定していたチェンバー内に収まる直径50 mm程度で検討した。ビームを当てる中心部分のみ加工し、台座に固定用として縁部分は確保することで現在取付けられているチェレンコフ放射用ターゲットの導入機構の上部に取外し可能な取付け台の設計を行い、現状の可動機構と共存可能な講造とした。可変機構に関しては、既設真空中ターゲット出し入れ機構へ収めるようにサイズは固定ターゲットと同じくらいとし、レーザーシャッターなどに用いられている機構を改造して検討を進めている。測定系に関しては、別途施設のユーザー利用実験時などを併用して、分光測定系の構築や干渉計の構築、手持ちのバンドパスフィルターを用いてテストを進め行った。THz帯のカメラに関しても測定系での動作等確認を行った。現状ターゲット製作に関して予定より進捗が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在取付けられているチェレンコフ放射用ターゲットの導入機構の上部に取外し可能な取付け台を製作し、設計変更した固定ターゲットの製作と設置、そのテストを行う。可動ターゲットに関しては、可動範囲は元々余裕をとって2~3 mm程度と考えていたが、レーザーシャッターなどに用いられているシンプルなメカニカル機構を改造することで、数100 μm程度に押え、単純な機構で現状の機構から簡単に取外し可能な構造として再検討を進める。ターゲットには高エネルギー電子ビームを当てることから、放射線による影響を考慮し、できるだけ単純な講造で検討を行う。また、コヒーレント遷移放射は広帯域光源なので、全ての波長域で光渦になるわけではなく、条件を満たした範囲のみでの測定となる。そのため、測定系の構築も重要であり、測定系に関しては、引き続き昨年同様、施設のユーザー利用実験時なども併用して、分光測定系の構築や干渉計の構築、手持ちのバンドパスフィルターを用いた評価、また所有しているTHzカメラも用いた評価が可能な測定系の構築とテストを進める。
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Research Products
(8 results)