2021 Fiscal Year Research-status Report
Design Study on the possibility of signs with a visual image of tactile sensation
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21K12543
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
曽我部 春香 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (50437745)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自転車通行空間 / 路面表示 / サインデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、関連研究や既往の取組事例等をWebサイトや文献を用いて調査し、目的として設定している自転車通行箇所を示す方法として、路面表示に視覚的に触感をイメージすることのできる表現を施すことで、利用者が自転車通行箇所とその他の通行箇所の違いに気が付くかを確かめるための実験の方法や、移動しながら違いを視認できる程度に関する資料収集、既存の路面表示例の整理や一般の路面表示の認識状況、触感をイメージすることのできる路面表示に関する施工方法の可能性についての情報収集などを行い、整理した。また、既に行われている自転車走行空間を利用者に指示するための表示は、既存のガイドラインを参考にしつつ地域ごとに様々な工夫が行われている状態であるため、それらを把握・整理するため、全国の市区町村の中から、上位計画のなかに自転車活用推進を挙げ、実際にシェアサイクルの積極運用を行ったり、景観条例や景観ガイドラインを所持し都市景観形成へのきめ細かな配慮を行っていたり、自転車通行空間における表示等の独自ガイドラインを策定している市区町村などをリスト化し、自転車通行空間表示関するWebアンケートを作成し、順次、依頼を行った。実験方法においては計画時に予定していたものに加え、いくつかの可能性を検討すべき方法があったため、予備調査として数個の方法を試し、検証のための最善の方法を確立していく必要があると判断した。また、地域ごとの取組状況によっては、カラー舗装のパターン化の表示の工夫などでも一定程度の効果を挙げていることも予測できたため、それらとの兼ね合いを考えた具体的な設置条件の検討の必要性があることもわかった。また、施工方法についてもカラー舗装と同程度の方法で実施できることが理想であることから、既存の路面表示の施工例を確認しながら実践の可能性についても継続的に情報収集する必要があると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により移動の制約が頻繁に行われ、夏季休暇のフィールド調査に出やすい期間と緊急事態宣言の発出が重なる状況もあったことから、初年度は、情報収集を中心に行うことに決め、情報収集と平行して実施する予定だったフィールド調査を2年目以降に実施することにした。したがって、情報収集は比較的順調に進捗し、調査すべき事項の追加や実験方法の検討などが行えたが、現地で実際に人々が利用する状況の確認が不十分な状況だと言える。実際の街路空間は、自転車以外にも多く通行者があるため、多様な通行者が共存できることが必須の条件と言え、また、通行者だけでなく、街路上には非常に多くの様々なものが設置されているため、設置物と人の利用の状況の関係により多様なケースが想定され、各ケースをふまえた検討を行う必然性があると考える。したがって、実際の状況をふまえた検討が不足しており、情報収集だけでは判断しきれない事項も多い点から、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、フィールド調査を積極的に実施し、これまでに収集・整理した調査結果と照らし合わせ、具合的な案の検討を行う予定である。また、2021年度に引き続き施工例の調査や移動と視認の関係に関する調査は継続して行う予定である。なお、アンケート調査の整理が6月頃を目途にできる予定であるため、それらの結果から自転車通行空間の路面表示に積極的に工夫を行っている地域を選出し、当初予定していたフィールド調査先に追加する。既存の様々な工夫された路面表示で周知できている点とできていない点を整理し、カラー舗装のパターン化等の既存の表示との差別化および相乗効果をふまえた表示案として具体案を検討することを考えている。また、具体案の検討においては、簡易なプロトタイプを制作し、実際の生活空間での見え方などを確認しながら進める予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度は、Webや文献等の情報収集調査を中心に実施し、遠隔会議システム等を活用したため、費用が発生することなく進捗した。また、情報収集調査により予備調査を増やし、簡易プロトタイプの作成を行うことを優先すべきと考えたため、それらに費用を割くため予定していたノートPCの購入を取りやめ、自研究室に保有していた既存のノートPCを活用することとした。1年目に実施予定だったフィールド調査は、コロナ禍による移動の制約等により2年目以降に集中的に実施するように計画を変更したことから、2022年度以降に、フィールド調査やプロトタイプ制作のための費用を使用する予定である。
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