2023 Fiscal Year Research-status Report
空間形状に合った投影イメージ自動生成による空間演出システムの開発
Project/Area Number |
21K12551
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
出原 立子 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 教授 (00299132)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | デザイン学 / 芸術工学 / メディアデザイン / 情報デザイン / 空間演出 / プロジェクションマッピング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、従来のプロジェクションマッピングの映像デザイン手法とは異なる、投影対象の形状情報から映像が自動生成される新たなデザイン手法を構築することを目指している。すなわち、空間形状の特徴点を自動抽出し、特徴点を基に投影イメージを生成し、空間に合った映像プロジェクションを行う汎用性のある手法を構築し、空間演出を行うシステムを開発することを目的とする。それによって、特定の場所のための映像を予め制作しなくても、様々な空間においてその形状を活かした映像による空間演出を行うことができると考えられる。本研究で構築する手法の特徴は、生成されるイメージが投影対象の形状よって形成される点にある。そのため、空間形状に合い、且つ無限に変化の富んだイメージをデザインできる創造性のある手法といえ、様々な空間に合った演出を作り出すことが期待できる。 対象物の形状に合った映像を生成するために、本研究では、空間に存在する物体の輪郭情報をRGBカメラ画像から抽出し、輪郭部分を際立たせるイメージを生成する方法を構築し、システムを開発した。さらに、生成したイメージを対象物の形状に合わせて投影するために、カメラ画像とプロジェクタの投影画像の位置合わせを自動で行うシステムを開発した。そして、これら一連の処理を統合したシステムを開発した。開発したシステムを用いて様々な空間や物体に対する検証実験を行い、本システムの有効な活用方法を構築する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの研究成果として、空間形状の特徴点を自動抽出する方法を構築し、抽出した特徴点からイメージを自動生成し、空間形状の対応する箇所に適切に投影するために自動キャリブレーションし、プロジェクションマッピングまで行うシステムを開発することができた。 本システムは、次の処理を自動で行うものである。まず、RGBカメラから取得する画像情報を元に輪郭抽出し特徴点を取得する。次に、空間形状に合わせた投影画像補正を行うために、グレイコードシーケンスの白黒画像を投影してカメラで読み取りプロジェクタの投影位置座標をコード化し、カメラ画像と投影画像との対応関係を抽出する。その対応関係に従い特徴点抽出画像を変換し、特徴点から色を描出し輪郭部分を際立たせるイメージをプロジェクタから実空間へ投影する。 今年度は、本システムを用いて室内空間を対象とした検証実験を行った。その結果、対象物周辺に濃い影が生じるような条件の場合、投影画像の自動補正時にキャリブレーション パターンの読み取りを誤認識し、精度よく投影できなかった。この結果を踏まえて、本システムを有効に活用するために対象物の選定時に考慮すべき点など、使用環境の要件を整理した。 本研究のこれまでの成果は、日本デザイン学会春季大会にて発表した。 以上の通り、システム開発は予定通り進められたが、様々な空間や物体を対象とした検証実験が予定より遅れており、今後この点を継続して行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、空間演出システムの開発を行うことができたので、今後は様々な場所や空間形状を対象にして投影実験を行いたい。今年度も検証を行う予定にしていたが、研究室内等の小規模な対象だけの実施に留まったため、共用スペースや屋外など対象を広げた検証を今後行っていきたい。またそのために必要な機材の調達に予想以上に時間を要していたため、研究期間を1年継続させて頂くことでより検証実験を追求していきたいと考えている。また研究のための実験に留まらず、空間演出のデザイン実践の取り組みにも展開していきたい。研究成果は専門学協会の研究発表や学会誌等にも発表していきたい。
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Causes of Carryover |
研究開始当初からのコロナ禍の状況において、実験を行い難い状況が続いたことが大きく影響しました。本研究において開発したシステムを使用した実践的な検証を行うための機会を得ることが今年度できず、またプロジェクタの機材調達にも予想以上の時間を要し納品が年度末になってしまったたため、検証を次年度に行いたいと考えています。次年度使用額は研究活動実施のための消耗品に使用する予定です。
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Research Products
(2 results)