2022 Fiscal Year Research-status Report
今まさに日本から消滅せんとする雨水生活映像化による離島振興策
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21K12552
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
近藤 晶 福井工業大学, 環境情報学部, 准教授 (70550606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 利浩 福井工業大学, 環境情報学部, 教授 (60279396)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 離島振興 / 映像 / 雨水活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は長崎県五島市に位置する赤島で連綿と行われている雨水に頼る生活を記録し、独特の文化風俗を後世に残すとともに赤島の存在を広く知らせることで離島振興につなげることにある。映像による離島振興への影響を明らかにするため、これまでに撮影した映像をもとにYoutubeや各種ニュースメディア等で視聴可能な状況を作り、それらの影響について考察を続けている。現在の成果として2022年6月4日には中京テレビに取り上げられるなど大きな反響を得ることができた。また、福井新聞、長崎新聞、朝日新聞などにも複数回掲載されたほか、日本離島センターの発行する「日本の島ガイド『SHIMADAS』」や「季刊『しま』」252号、ミツカン水の文化センターが発行する「水の文化」、JSTが発行する「サイエンスウィンドウ」など複数の雑誌にも掲載された。さらに、これまでの映像素材やデザイン素材をベースとして若手移住者のクラウドファンディングプロジェクトに提供し、224%の目標達成率を獲得している。以上のことから赤島の映像素材は情報価値が高く赤島の離島振興に役立つ可能性が高いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響により予定していた赤島での撮影について昨年度より引き続き現地島民との調整を行っていたが、今後も難航が予想されるため赤島現地での撮影は断念し、赤島から離れた元島民への撮影へと計画変更を行った。長崎市に在住している元島民へ取材交渉は完了しており、撮影の了承を取り付けている。また、取材予定の元島民より過去の赤島の写真提供を受け、資料の整理等を進めている。一方、これまでの取り組みを地域活性学会等で発表し、査読論文の投稿を行うなど研究成果の公表を積極的に行った。これらのことから研究は軽微な変更はあるものの概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果として映像素材やその活動が離島振興に有効である可能性の高さがうかがえる物となっている。このことから赤島現地での撮影は断念するものの、その代替策として長崎市に現在住んでいる元赤島島民に赤島で生活していた当時の様子の聞き取りを行う。赤島の元島民とは旧知の関係であり、撮影交渉は完了している。今後は元島民とのインタビュー映像を撮影しこれまでの映像素材と組み合わせて映像資料を完成させる予定である。長崎在住の元島民とは取材交渉を終了しており、今後は直接お会いして現状の確認等を行う。成果は地域活性学会などで公表し今後の研究に活用する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により当初予定していた赤島現地での撮影を断念する事となり、予定していた旅費の支出等が代替策への支出に変更されたため、次年度仕様額が生じた。次年度は代替策である長崎市在住の元島民への聞き取り取材等を行い、目的としていた成果につなげたい。
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