2023 Fiscal Year Research-status Report
ロボットデザイン開発における創造性創出・共有システムの構築
Project/Area Number |
21K12569
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
相野谷 威雄 東京工科大学, デザイン学部, 講師 (20366884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠松 慶子 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (90296385)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 共創 / デザイン / ロボット / デザイン思考 / 開発プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ロボットデザイン開発における創造性創出・共有システムの構築を目的とし、R5年度は以下の研究を実施した。 まず、具体的な使用者を想定し、ユーザーヒアリングを通じてニーズを詳細に把握した。得られたデータを基に、デザイン開発における具体的な要件を抽出した。次に、抽出された要件に基づき、複数のデザイン案を作成した。これらのデザイン案を元に、3Dプリンターやその他のプロトタイピングツールを用いてプロトタイプを制作し、使用シミュレーションを実施した。 さらに、プロトタイプを使用者に提供し、実際の使用環境での評価を行った。使用者からのフィードバックを基に、デザインの改善点を洗い出し、再度プロトタイプの調整を行った。また、デザイン開発者とロボット開発者の間でのコミュニケーションを改善するためのモデルを評価した。特に、キースケッチ、ディメンションスケッチ、3DCADデータの共有プロセスにおける暗黙知を形式知化する手法を検討した。 研究成果は、国内外の学会で発表し、査読付き論文としてまとめた。特に、プロトタイピングの有効性や、エンジニアや製作業者とのコミュニケーションを通じた「隠れたナレッジ」の共有について報告した。これらの成果は、ロボットデザイン開発におけるコミュニケーションの改善と創造性の促進に寄与するものである。 コロナ禍による制約は引き続き存在するものの、オンラインでのコミュニケーションツールの活用により、オンラインヒアリングやリモートプロトタイピングを通じて研究を進展した。一方で、対面でのユーザー評価や実験の一部に遅れが生じたため、全体としてはやや遅れている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による制約により、対面でのユーザー評価や実験の一部に遅れが生じた。オンラインでのコミュニケーションツールを活用し、オンラインヒアリングやリモートプロトタイピングを通じて研究を進展させたものの、当初計画していた対面での評価や実験の一部を実施できなかったことが影響し、全体としてはやや遅れている状況である。ただし、研究の主要な部分は着実に進展しており、得られた成果は学会発表や論文としてまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2024年度に向けて、以下の研究を推進する。 まず、これまでの研究で得られた知見を基に、さらに具体的なロボット開発の事例に焦点を当てる。特に、ユーザーヒアリングを通じて得られたニーズを詳細に分析し、デザインとロボット開発の統合に向けた要件を明確化する。次に、これらの要件に基づき、プロトタイピングと使用シミュレーションを繰り返し、デザインの改善を図る。 また、デザイン開発者とロボット開発者の間でのコミュニケーションモデルの評価を継続し、最適な共有ツールの確立を目指す。特に、暗黙知の形式知化手法の有効性を検証し、実際のロボット開発プロジェクトへの適用可能性を探る。 研究成果は、国内外の学会で発表し、査読付き論文としてまとめる。また、ワークショップやセミナーを通じて、研究成果を広く共有し、フィードバックを得る。これらのフィードバックを反映させ、最終報告書を作成し、研究の総括を行う。 最終年度では、これまでの研究成果を集大成し、ロボットデザイン開発における創造性創出・共有システムの構築に向けた提言を行う。また、研究成果の社会実装に向けた取り組みを検討し、実際のロボット開発プロジェクトへの適用を目指す。
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Causes of Carryover |
昨年度までコロナ禍の影響により実施が困難であったため、当初、計画を変更して実施してきたが、分析には時間を要するため完了までは研究期間の延長が必要となった。それに伴い、インタビューなどの分析に予想以上の時間を要していることから、研究計画の延長が必要となった。それに伴い、学会発表や論文執筆のスケジュールにも変更が生じている。さらに、物価上昇および円安の影響により、当初の計画のままでは予算を効率的に活用できなくなったため、研究内容や調達方法の見直しが求められた。 そのため、ユーザフィードバックを反映したプロトタイピングを作成するとともに、研究成果を発表する必要が生じた。 このような状況を踏まえ、次年度はプロトタイピング制作費および研究生か発表旅費に使用する予定である。
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