2021 Fiscal Year Research-status Report
ヒトとモノを繋ぐパラメトリックデザイン技法開発と使用現場における支援環境の構築
Project/Area Number |
21K12572
|
Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
山下 健 椙山女学園大学, 生活科学部, 講師 (50783990)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 弘一郎 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (40350813)
蛭田 直 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 准教授 (80548230)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 自助具・補助具 / デジタルファブリケーション / 3Dスキャン / パラメトリックデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は以下の研究を実施した。 課題1.福祉関連のパラメトリックデザインの調査として、(1)国内外におけるパラメトリックデザインの事例調査(2)ヒトとモノを繋げるパラメトリックデザインのニーズ調査、を行った。ニーズ調査においては、養護学校、福祉施設のスタッフの方がパラメトリックデザインを使用することでどのようなことが可能になるのかを想像しやすくなるよう、サンプルのパラメトリックモデルを作成し、現地での聞き取り調査を行った。調査では、サンプルモデルに発想が引っ張られてしまったため、次年度は様々な可能性を想像できるよう複数のサンプルを用意して、ニーズ調査を継続する。 課題2.ヒトとモノとを繋げることを前提に、ヒトの身体情報をデジタル化してパラメトリックに適応する際に必要となる諸条件の確立として、(1)適応すべき人体の箇所(2)モノと繋げるためのデータ処理(3)ヒト側のパラメータ設定方法、について検討を行った。モノとつなげるためのデータ処理として、健常者を対象に身体の3Dスキャンを行い、不必要なデータの削除からパラメトリックデザインに使用するまでのデータ変換の手順の整理を行った。施設や学校の現場で調整と製造ができる運用環境の構築を目指しているため、現場スタッフが容易に3Dスキャンを行うことができるよう手順書等の作成も必要となる。パラメータの設定については、身体の3Dスキャンデータをもとに参照点を設定し、身体形状に沿いながらもパラメータを変えることで形の調整を行うことができるモデルを作成し、制作方法の検討を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は下記を実施予定であった。 課題1.福祉関連のパラメトリックデザインの調査として、(1)国内外におけるパラメトリックデザインの事例調査(2)ヒトとモノを繋げるパラメトリックデザインのニーズ調査。COVID-19の影響により、養護学校、福祉施設でのニーズ調査に制限が生じたため、やや遅れが生じた。調査方法も改善し、次年度も継続調査を行う。 課題2.ヒトとモノとを繋げることを前提に、ヒトの身体情報をデジタル化してパラメトリックに適応する際に必要となる諸条件の確立として、(1)適応すべき人体の箇所(2)モノと繋げるためのデータ処理(3)ヒト側のパラメータ設定方法、についての検討。 適応すべき人体の箇所については、ニーズ調査の遅れから対象箇所を絞ることができなかった。次年度の継続調査をもとに、対象箇所の検討を引き続き実施する。モノと繋げるためのデータ処理については、おおむね計画通りに進んでいる。ヒト側のパラメータ設定方法については、人体の対象箇所を増やして、箇所ごとの適切なパラメータについて検討を進める。
|
Strategy for Future Research Activity |
現地でのニーズ調査について遅れが生じているため、引き続き調査を進めて、適応すべき人体の箇所の検討を行う。今年度のニーズ調査でもあげられた、握るための訓練具(遊具)を制作するためのパラメトリックツールの制作を行い、身体形状に沿った補助具として、腕置台を制作するためののパラメトリックツールの制作も進める。並行して、協力施設との実践。検証環境の構築の検討を行う。また、現場スタッフが容易に3Dスキャンを行うことができるよう手順書等の制作を行う。
|
Causes of Carryover |
2021年度中にポータブルの3Dスキャナの購入を予定していたが、3Dスキャナの仕様を変更するため、2022年度に購入を見送ったことと、COVID-19の影響により、対面での研究打ち合わせや施設への調査の回数が減ったことにより、次年度使用額が生じた。2022年度に予定した3Dスキャナを購入し、2021年度に行うことができなかった検証を行うことで予算を執行する。
|