2021 Fiscal Year Research-status Report
高次脳機能障害者の自立を促進させるピクトグラムの視覚的理解に関する評価法の開発
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21K12575
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
時田 春樹 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30804108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 真哉 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (00296188)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ピクトグラム / 視覚的理解 / シンボル認知 / 視空間認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
予備的研究から、視覚のシンボル認知および視空間認知能力がピクトグラムの視覚的理解と関連していることを確認している。 当該年度では、まずピクトグラムの視覚的認知度に関するデーター収集を開始するにあたり、151個のカラーピクトグラムを用いた新たな刺激図を作成した。また学内の倫理委員会の承認を得て、健常大学生を対象に20例のデーター収集を実施した。それに合わせて、標準的な知能検査として用いられているWAIS-Ⅳの一部を実施し、ピクトグラムの視覚的理解と関連があると思われる高次脳機能の検討を行った。症例数が少ない影響も考えられたため、今後さらにデーター数を増やていく予定であるが、現時点では統計学的に有意差を認めた機能を検出することはできなかった。しかし、モノクロのピクトグラムに比べて、カラーのピクトグラムの方が理解度が高かったことを明らかにすることができた。視覚的理解に色の要素が関係していることがわかった。ピクトグラムの視覚的理解力を客観的に評価するために、視線計測機を導入した。令和4年度において、併せて本機器を用いたデーターの収集を行っていく予定である。 本研究の目的は、ピクトグラムの視覚的理解に関する新たな評価法を開発することである。今後は、障害者データーを収集し、社会生活場面における行動評価も実施する予定である。当該年度は、主にデーター収集に関する刺激図の作成や健常大学生の予備的データーを収集し、分析を行った。次年度への研究計画に繋がる成果を十分に出すことができたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データー収集に必要な新たなピクトグラムの刺激図の作成を行った。予備的な調査として、健常大学生を対象にデーター収集を実施した。併せて、高次脳機能検査を実施し、ピクトグラムの視覚的理解に影響を及ぼしていると思われる高次脳機能の検討を行った。症例数は今後も増やしていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
健常大学生を対象とした予備的調査の継続と、障害者データーの収集を開始する予定である。データー収集の中で、高次脳機能検査の実施と視線計測機を用いた客観的な評価を実施する。障害者データーの収集をはじめるにあたり、研究協力施設との連絡および連携を行う。さらに研究協力施設を新規で増やす予定もしており、関係者と連絡および調整を行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、ピクトグラムの現地調査や障害者データーの収集が困難となり、当初予定していた計画を実行することができなかったため。 研究協力施設との連絡により、次年度においては、感染対策をこうじながらのデーター収集が可能となったため、当該年度の計画内容も併せて行う予定である。
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