2023 Fiscal Year Research-status Report
Statistical analysis of the driving factors of digital transformation considering organizational culture
Project/Area Number |
21K12583
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
渡邊 真治 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 教授 (80254449)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | DX / ダイナミックケイパビリティ / 両利きの経営 / ロードマップ / 因果探索 / 組織アジリティ / 心理的安全性 / 組織文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
Watanabe(2022)では従業員にアンケート調査を行い,DXに関連する変数間の関係を共分散構造分析を行った.分析の結果, (1)DX要因は,企業の業績に正に相関している(2)心理的安全性は,組織のコミットメントを通じて企業の業績にプラスの影響を与える(3)戦略的意図は,両手利きの探索にプラスの影響を与える(4)労働生産性の高い産業の係数は,労働生産性の低い産業の係数よりも必ずしも大きいとはいえない(5)上場企業は,非上場企業よりも探索やDXが業績に与える影響が大きいことが判明した.ただし,組織要因とDX戦略要因との間に十分な因果関係を確認できなかった. この原因として, 共分散構造分析は共通因子の関係を分析するものだが,その因子を構成する変数が因子を超えて関係している場合は分析できない可能性があることが考えられる. そのため,Watanabe(2023)ではあえて因子を求めず,アンケートの質問間の関係を因果探索の手法で分析を行った. この方法を用いることによって,因子を超えた関係を分析することが可能となる. 分析の結果, 以下のことが判明した.(1)心理的安全性は,企業の変革にプラスの影響を与える, (2)戦略的意図は,両利きに関係する探索にプラスの影響を与える, (3)DXを進めるためには,戦略的な要素よりも組織的な要素を先に進める必要がある. また,組織文化の違いによってロードマップがどのように影響を受けるか, 追加の調査をもとに分析を行った(渡邊(2024)).分析の結果, (1)組織文化要因は産業によって違いがあり因果関係の順番に違いが生じている(2)ロードマップにおいて, まず組織文化要因を整備し,戦略を立てDXを実行する必要がある.この順番でのロードマップ作成を支援する必要がある, (3) 政府の政策として,補助金の経費補助対象を広げて考える必要がある.また, OKRの導入のガイドラインを示す必要があることが判明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定であったDXのロードマップの基本モデルの作成は行った. ただし組織文化要因によってロードマップ内での優先順位は変わってくると考えられる. そのため調査を行った労働生産性の高い業界 (製造,情報通信,金融・証券・保険) ,労働生産性が低い業界(サービス,医療・福祉,公務員)の6業界について詳細に比較検討を行っている段階である. また組織文化要因は時間をかけて調整する必要があるものであり, 組織文化要因に影響を与えるドライバーのタイミングを現在分析中にである.
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Strategy for Future Research Activity |
O‘Reilly & Tushman (2008) が指摘するように,両利きの経営の成功はトップ リーダーの対応にかかっている. 会社の従業員を対象とした調査のため,2023年までの調査ではトップリーダーに限定して質問していない. 2023年末からWeberら(2022)のリーダーシップ特性を参考にしトップリーダーへの調査とインタビューを実施している. また, 現在提示しているロードマップは日本のデータを前提に作成しているため, 他国と比較してロードマップの違いが日本独特の文化の影響を受けているのかを分析する必要がある.そのため,同様の調査を現在海外の企業を対象に行っている. 企業文化の変革,業務・組織・プロセスの変革,製品・サービス・ビジネスモデルの変革のタイミング,変革型リーダーシップを,国際アンケートやインタビューを通じて分析し, DXドライバーの国際版成熟度モデルを現在作成中である.
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Causes of Carryover |
コロナの影響で必要な調査が十分に実行できなかった。そのため、当初の計画よりも1年程度実施期間が遅れている。
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Research Products
(4 results)