2021 Fiscal Year Research-status Report
日本文化資源としてのゲームデータベースのデータ設計と継続的構築に関する研究
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21K12588
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
細井 浩一 立命館大学, 映像学部, 教授 (00268145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 一史 大阪国際工科専門職大学, 工科学部, 講師 (00723785)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メタデータ / 情報要求 / ビデオゲーム / デジタルアーカイブ / Wikipedia |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らが構築・整備を進めるサービスRCGSコレクションならびにメディア芸術データベースに登録されたゲームパッケージリソースを介した、外部データセットとの接続を進めた。特にWikipediaとのデータ接続について試行を実施した。これは、Wikipediaのゲームプラットフォームごとに整備されたゲームタイトル一覧のリソースのタイトルや発売日などのデータを用いた機械的なデータ接続であり、8割以上のタイトルについて有効な結果を得られた。これらによりほぼ自動的にWikidataとの接続もなされ、ゲームジャンルやシリーズ、版権、キャラクターなどのデータは、これまでの活動で開発済であるウェブスクレイパーを用いることで自動収集可能となる見通しを得た。また、メタデータの検索・分析ニーズに関わる調査研究として、今年度は特にゲームの社会的利活用としての展示企画を対象とし、RCGSが主催、共催するゲーム展示とその準備過程におけるゲームデータベースの活用、メタデータへの要求を調査した。その結果、権利関係が複雑なゲーム音楽の利活用に関わって必要とされる要求を知見として得た。このような成果について、ゲーム研究およびデジタルアーカイブやデジタル・ヒューマニティーズをテーマとする研究会議での発表や、研究論文の発表などの活動を推進した。研究成果として、2021年度は論文4件(うち査読2件)、図書1件(ブックセクション)、学会・研究会での研究発表件数は8件だった。これらを通じて、研究活動そのものならびに、構築するデータセット・サービスへの評価を獲得するとともに、幅広い社会的利用を促進していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度における活動では、長引くCOVID-19の影響によって学会発表の機会や対面で実施するインタビュー調査などの計画の一部を見直さざるを得ない必要性に迫られたとともに、当初予定していたデータ拡充の方法である雑誌類の俯瞰スキャニング用の専用機器が製造中止によって購買できなかったことによる作業の見直しなどが生じたが、データ作成者の労働における適応・改善を様々な面で進めることにより、データ作成については概ね予定通りの進展が達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの活動に並行して、WikipediaやWikidataとの機械的なデータ接続と、接続したデータの課題抽出を進展させた上で、メタデータの強化と自動化のための方法論検討を進める。また、Wikidataは識別子のハブとしての機能が期待され多くのIDが登録されるサービスであることを活かして、他のゲーム専門データベースに登録されたデータの統合的活用を検討していきたい。これら方法論を具体化することにより、Wikidataだけでは不足するゲーム内容のデータ記述について、補完が可能になると考えられる。また、ゲーム資料のデータのニーズ調査として、講義におけるデータ検索やデータ拡充のためのワークショップを企画し、実際のゲームに対するユーザニーズや課題について調査を進めたい。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響が大きい。第一に予定していた面接などの一部の調査が困難になったこと、第二に海外を含む研究発表の機会を複数失ったことである。また、当初予定していたデータ拡充の方法である雑誌類の俯瞰スキャニング用の専用機器が製造中止によって購買できなかったこともあり、次年度使用額が生じた。今後の方針としては、特に社会調査における一部の方針変更および海外出張の見直しを行い、ゲーム資料のデータのニーズ調査として、大学等の講義や演習におけるデータ検索やデータ拡充のためのワークショップを企画したい。また、雑誌類の俯瞰スキャニングなどのデータ収集法についても一部の方針変更を行い、代替的な執行計画を策定する。
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Research Products
(17 results)