2023 Fiscal Year Annual Research Report
Classification of citations between patents on the basis of their functions
Project/Area Number |
21K12592
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
芳鐘 冬樹 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (30353428)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 図書館情報学 / 情報図書館学 / 引用分析 / 科学社会学 / 科学計量学 / 計量情報学 / 計量書誌学 / 引用分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
特許などの専門的な文書を対象に生起する引用の関係を調査した上でそれらの類型を系統的に整理することを主たる目的に,情報源(特許出願文書,学術論文,Wikipediaの学術関連の記事)からデータを抽出・整形して分析を行い,引用の関係の類型と文書の領域横断性を明らかにした前年度までの研究結果を踏まえ,最終年度である令和5年度は,それらの経年変化やその背後にある要因なども含めて,さらに詳細な分析を行った。 特許出願データ(1993年以降に公開された出願)を対象に,引用元の特許を引用文脈(引用センテンス)に紐付けたコンコーダンス(索引)を分析し,機能的観点,意義的観点,評価的観点,および,位置的観点の各々について,引用種別(分類の区分肢)の分布の時系列変化を調査した結果,いずれの観点に関しても,文書間の引用関係の分布に明確な変化の傾向は観察されなかった。 一方,特許が引用するような論文も含む学術論文(1997年以降に出版された環境科学分野などの4分野の論文)を対象にした分析では,文書の研究領域間の関係にいくつかの時系列変化の傾向が観察された。例えば,環境科学分野では,直接つながっている領域の数に大きな変化はない(微増に留まる)が,領域間の関係の結集性は強くなってきている(20年間でクラスタ係数が20%以上増加している)。それに対して,材料科学分野では,直接つながっている領域間の関係の結集性が強くなってきている(環境科学分野と同様,20年間でクラスタ係数が20%以上増加している)だけでなく,それらの領域の数も大きく増加している(20年間で約40%増加)といった分野の特徴が明らかになった。領域横断的な研究開発が盛んなってきている状況を踏まえると,こうした分野の特徴にも留意しなければ,特許の引用種別の変化パターンと関わりの強い書誌的特性を特定することは困難であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)