2021 Fiscal Year Research-status Report
知覚・認知に及ぼす時間文脈効果の個人差とその処理プロセスの解明
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21K12607
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
近藤 あき 早稲田大学, 高等研究所, 准教授(任期付) (30727053)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 履歴効果 / 個人差 / 時空間特性 / 知覚 / 判断 |
Outline of Annual Research Achievements |
日常生活で人が知覚したり、知覚した対象に対して判断や評価を行う際には、過去にどのような明るさを見たかという過去の知覚や、明るさをどう判断したかという過去の判断に影響を受ける。本研究課題では、この過去の時間文脈の効果(履歴効果)の時空間特性と個人差に着目し、知覚と判断の各レベルで特異的に生じる履歴効果の特性や、刺激や課題内容によらないレベル共通の特性を明らかにすることにより、履歴効果の生起メカニズムを総合的に解明することを目的とする。 本年度は、知覚レベルと判断レベルの履歴効果の個人差の関係性を明らかにすることを目標とした実験を行なった。同一の実験参加者に対して、顔刺激のマッチング課題と顔の魅力判断課題を行う際に生じる履歴効果を調べ、個人内で知覚レベルと判断レベルの履歴効果に正の相関関係が見られることを明らかにした。また方位刺激の知覚における履歴効果量の個人差と、個人内での効果の安定性を検討し、履歴効果がゼロやマイナスである実験参加者が全体の1-2割程度存在することや、これらの効果量は個人内で安定しており、異なる日に計測しても高い相関を示すことを明らかにし、研究成果はJournal of Vision誌に採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの蔓延により対面実験でのデータ取得が限られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染状況の改善次第、速やかに対面実験でのデータ取得を行うとともに、一部の実験については実験刺激とパラダイムを変更しオンライン実験でデータを取得する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの蔓延により対面実験でのデータ取得が限られたため、予定していた実験や成果発表の中止により次年度使用額が生じた。次年度において、実験実施に伴う人件費・謝金や、学会参加・発表のための出張費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)