2023 Fiscal Year Annual Research Report
Neural mechanisms of "brain timer"
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21K12618
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
生塩 研一 近畿大学, 医学部, 講師 (30296751)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 時間知覚 / 前頭前野 / 認知科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度(3年目)は、時間長カテゴリを区別する時間弁別課題を中心に実験を進めました。この課題では、呈示される3つの時間長カテゴリのそれぞれについて予め対応付けされた時間長を生成(押していたボタンを離す)しなければいけません。具体的には、短時間長は0.8秒、中時間長は1.6秒、長時間長は3.2秒としてCueで視覚刺激で呈示しました。そして、Cueが短時間長なら長時間長(3.2~4.8秒)を生成すると正解で、Cueが中時間長なら1.6~3.2秒の時間長生成を、Cueが短時間長では0.8~1.6秒の時間長の生成をそれぞれ正解としました。背外側前頭前野のニューロン活動を単一ユニットレコーディングで計測したところ、Cueの開始~0.5sに反応するニューロン、中間と長い時間長のCueの後半で反応するニューロン、Cue呈示後の遅延期間にCueの長さにかかわらず反応するニューロン、時間生成、つまりボタンを離す前に反応するニューロンなどが記録されました。試行期間中では、時間生成の際に反応するニューロンがもっとも多く検出されました。まだデータが充分ではない段階ではありますが、背外側前頭前野ではCueの時間長を計測するよりも、時間生成の役割の方が強い印象が得られました。 令和3年度(1年目)には、異種感覚刺激を用いた時間弁別課題を遂行中における前頭前野のニューロン活動計測実験を中心に進めました。1番目の時間呈示後の遅延期間では、視覚刺激、聴覚刺激のそれぞれに対して、時間長に依存して応答の大きさを変える、つまり、時間の長さをコードしているようなニューロンなどを見出すことができました。 令和4年度(2年目)には、異種感覚刺激を用いた時間弁別課題を使って、前頭前野のニューロンはタスクの前半では感覚種別の時間計測を行い、タスクの応答に向けては感覚種によらない情報統合を行っていることがわかりました。
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