2021 Fiscal Year Research-status Report
分解制御可能なハイドロゲルを用いた欠損組織の機能的再生方法の検討
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21K12621
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤澤 彩乃 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (10624885)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分解性生体材料 / ハイドロゲル / 再生足場材 |
Outline of Annual Research Achievements |
分解性に設計したTetra-PEG Gelを、生体内の複数部位に対して埋植した。ゲル化反応に用いる残基の一部を蛍光物質とリンクさせることで、体外からその残存を経時的に確認した結果、同一の部位あるいは処置の実験群内で、分解速度に大きなばらつきが確認された。また、非分解性に設計したTetra-PEG Gelにおいても、埋植後に分解する例を認めた。 分解する場合と分解しない場合について、一貫した法則性が見出せなかったため、比較的単純な再生経過を辿る骨欠損モデルについて、組織の炎症あるいは再生因子の添加による組織再生の進行をパラメータとし、分解性の発揮の有無について検討を行った。その結果、早期に再生する個体においては、非分解性のTetra-PEG Gelであっても速やかに分解される傾向が見られた。分解性のTetra-PEG Gelについては、設計よりはるかに速やかに分解された。皮下埋植において非分解性Tetra-PEG Gelが分解された事例の組織像と考え合わせると、免疫系細胞の寄与によるGel分解亢進の可能性が示唆され、特に骨のリモデリングにおいてはマクロファージ系の破骨細胞が重要な機能を担うことから、貪食細胞を起点とした炎症カスケードが作用していると仮説を立てた。 複数の免疫系細胞株を用いてのTetra-PEG Gel分解実験を行うため、準備を進めているが、実験資材の納入遅延により実験の進捗が遅れている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の臨床負荷の継続・ならびに海外情勢の不安定化により、特に滅菌プラスチック資材の納入に遅延が生じており、研究の方向性を左右する実験への着手が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
複数の免疫系細胞株によるTetra-PEG Gel分解実験を最優先に行う。特に、関与する因子を絞り込むことで、分解速度調整の目的で材料へ添加する戦略を立てる。非分解性と分解性のそれぞれの材料の生体内分解について、異なる物質が作用する可能性についても検討を行う。 関与因子のうち、組織再生に影響の小さいもの、あるいは影響する時期が限定されるものをターゲットとして分解性Tetra-PEG Gelに搭載あるいは添加し、埋植部位の環境に適切に対応するような分解性Tetra-PEG Gelを計算・設計する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症に対する臨床負荷の上昇ならびに海外情勢の悪化により、滅菌プラスチック資材の発注に対して納品が大きく遅れているため。納入され次第、本来の次年度計画分と合わせて実験を実施する。
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