2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K12628
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
比嘉 昌 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (90375197)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人工関節 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢や外傷により関節疾患が進行すると、人工関節を必要とする場合がある。人工股関節は、現在日本国内で年間約8万例の症例数が報告されている手術であり、高齢化により今後も症例数は増加すると予想される (2018 Japan Arthroplasty Registry report)。人工股関節の手術中に関節にかかる力を計測する装置の開発が本研究の目的であり、3年目は実際に装置を臨床医に使ってもらうことを目指して準備を行ってきた。そして、死体を用いて複数回の手術を行った。通常の手技に基づき手術機器を用いて3人の外科医が通常通りの手術を行った。実際に使った結果として、関節反力を計測することが可能であったことが分かったことが大きな成果である。ワイヤレス計測のため、多少の通信の不安定さは確認されたが、体内外の計測が死体を用いて確認できた。また、関節反力を計測することの臨床的な意義として、脱臼の有無を手術中に知ると言うことがある。今回の死体を用いた計測において、脱臼を行いやすい肢位角の時に、関節反力が脱臼の可能性を示す結果が得られた。具体的には、屈曲+内旋時には後方脱臼の可能性が、伸展+外旋時には前方脱臼の可能性が確認された。今回の手術は後方アプローチであるため、前方脱臼の可能性は低いが、いずれにしてもこのような関節反力が得られたことの意味は大きいと考える。通常の手術中にこのような情報を得られることができれば、手術中に脱臼の可能性を事前に知ることができると思われ意義のある成果が得られた。
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