2023 Fiscal Year Annual Research Report
心外膜脂肪の質を評価する新たな画像診断による心房細動ハイリスク患者検出
Project/Area Number |
21K12648
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
石井 悠海 大分大学, 医学部, 客員研究員 (20835607)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心外膜脂肪 / 心房細動 / CT値 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である2023年度に「心房細動患者における心外膜脂肪の線維化リモデリング:組織と画像」というテーマで研究結果の解析および論文執筆を行なっている。 まず、以前の研究より心房細動患者において、心筋の線維化の増生と心外膜脂肪の線維化の増生が一致して増加することが判明しており、この心外膜脂肪の線維化が心房細動を予測する一つの因子として考えられた。 2021年度に心臓血管外科手術において得られた73検体の心房細動患者の心外膜脂肪組織の組織学的解析を行なった。その結果、心外膜脂肪の脂肪組織の間質に炎症性細胞を認め、特に心筋組織と接する部分にて筋線維芽細胞、マクロファージの活動性が高いことを発見した。また、同部位において、顕著な線維化を認め、脂肪細胞の分化抑制につながることを発見した。すなわち心外膜脂肪の線維化の特徴として、心筋と接する部分の線維化、脂肪細胞の分化抑制が挙げられた。 続いて2022年度に同被験者の術前CTの解析を行なった。心外膜脂肪のCT値を-30HU~-190HUに定義し、心筋側から心外膜脂肪の内部にかけてのCT値の変化を測定した。その結果、CT値は組織密度を反映しているため、組織検体と同様に心筋近位にてCT値の上昇を認めた。 2023年度に得られた結果より、組織検体の密度変化とCT値が一致するか検討を行なった。その結果、CT値の変化率と組織内の変化率(細胞径の変化率)が相関することを発見した。この結果を利用するとCT画像より組織学的な変化、つまり心外膜脂肪の線維化を評価でき、心房細動リスク評価につながる可能性が示唆された。以上の結果をまとめ、論文として雑誌投稿を行っており、現在査読中である。
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Research Products
(1 results)