2021 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮網付膵島β細胞シートによる膵臓様組織構築法の確立
Project/Area Number |
21K12654
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
本間 順 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (50507366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 秀一 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60541737)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 組織工学 / 細胞シート / 膵島β細胞 / 血管内皮網 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、血管内皮網付膵島β細胞シートの作製プロトコールを確立するとともに、血管内皮網付膵島β細胞シートを皮下に段階的に積層移植することで厚い膵臓様組織を構築することを目的とする。血管内皮網付膵島β細胞シートにより皮下に厚い膵臓様組織を構築できることを証明するために、『①血管内皮網付膵島β細胞シート作製条件の適正化、②血管内皮網付シートの組織内血管網構築能の検証、③構築した膵臓様組織機能の評価』の実験を行う。細胞はヒト脂肪間葉系幹細胞 (hASC)、緑色蛍光蛋白発現臍帯静脈内皮細胞(GFP-HUVEC:経時的画像追跡が可能)、発光ラット膵β細胞(iGL cell:発光インスリンにより経時的定性比較が可能)の3種を、動物は免疫抑制ラット(ヌードラット)を使用した。 本年度の実績として、①に関しては、予定どうり血管内皮付膵島β細胞シート作製条件を適正化し、再現性高くシートを作成することに成功した。②に関しては、In vitroでタイムラプス顕微鏡観察システムを用いて、細胞シート内の血管内皮細胞が経時的に血管ネットワークと血管管腔構造を構築することをとらえることができた。③に関しては、ヌードラット背部へ血管内皮網付き膵島β細胞シート、血管内皮網無し膵島β細胞シートを移植したところ、1週間後に血管付膵島β細胞シートの方が、インスリン分泌が高く、生着細胞も多いことを統計学的にも証明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の成果は、「①血管内皮付膵島β細胞シート作製条件の適正化」に関しては、予定どうり血管内皮付膵島β細胞シート作製条件を適正化し、再現性高くシートを作成することに成功している。「②血管内皮付シートの組織内血管網構築能の検証」に関しては、細胞シート内の血管内皮細胞が経時的に血管ネットワークと血管管腔構造を構築することをとらえることができた。「③構築した膵臓様組織機能の評価」に関しては、ヌードラット背部へ細胞シートを移植した時、血管内皮網付き膵島β細胞シートの方が、インスリン分泌が高く、生着細胞も多いことを統計学的にも証明することができた。これらの成果で実験計画の2年目の予定のいくつかを達成しており、当初の計画以上に伸展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の進捗が当初の計画の2年目に予定したもののいくつかを達成していることを踏まえ、来年度は当初の2,3年目の研究予定に入っていた研究を進めていく。具体的には、血管付き細胞シートをラットへ段階的積層移植することで、厚い膵臓様組織を構築できる事を実証する事と、CTZ糖尿病ラットモデルに対して血管付膵島β細胞シートを段階的に移植しラットの糖尿病を治療する事の2つである。さらに、昨年度で一定の目標は達成できているものの、血管内皮付き膵島β細胞シート内の血管網をさらに成熟したものとするために培養方法を追加検討しプロトコールを改良していく。
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Causes of Carryover |
本年度は学会がWebで開催されていたため、学会参加旅費で使用予定であった分の予算の残金が発生した。残金に関しては、来年度の学会参加旅費に回すとともに、細胞培養用の消耗品に使用予定である。
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