2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K12670
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
浦橋 泰然 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (90277161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重田 孝信 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60560331)
寺谷 工 自治医科大学, 医学部, 講師 (70373404)
笠原 尚哉 自治医科大学, 医学部, 助教 (50382891)
吉富 秀幸 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60375631)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脱細胞化臓器 / 臓器再生 / 細胞培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、実験用ブタ臓器を用いて脱細胞肝を作成し、これに分離した肝細胞、血管内皮細胞、間葉系幹細胞などを経脈管的に注入し細胞充填を行い、臓器再生を行うための基盤づくりを実現化することを主な目的とする。その為に本研究では、(1)実験用ブタ臓器を用いて脱細胞肝・腎を作製し、(2) 3次元浮遊攪拌培養装置を用いた大量細胞培養で確保したヒト肝芽腫細胞(HepG2)とブタ由来の血管内皮細胞、間葉系幹細胞などを経脈管的に注入し細胞充填を行い、(3)循環培養装置により効率的に細胞再充填することで、①細胞充填および移植可能な脱細胞肝の作製条件 ②肝組織の成熟に必要な組織構成細胞の必要量 ③肝組織再生のための細胞充填の至適方法などを検討する。本年度の研究活動は、上記(1)ではこれまでよりさらに優れた脱細胞化臓器担体の作製を目的として、現在従来までのプロトコールの改良を目指して、界面活性剤の内容・使用方法の再検討と行った。また同時に肝細胞充填腎グラフトを作製するための脱細胞化腎臓を作製し、肝臓機能をもった移植可能な腎グラフトとして評価を行う予定である。(2)に関しては、500ml容量によるHepG2細胞の攪拌浮遊培養を行い、至適培養条件を詳細に検討した。(3)に関しては、次年度より本格的に開始する方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで大きな課題であった充填する細胞ソースの確保に時間を要したことが大きい。しかしながら、攪拌浮遊細胞培養の研究を進める中で、少しずつではあるが、解決の糸口が見えた印象である。当初は培養条件の設定などでやや難渋したが、研究を重ねるうちに、至適培養条件も判明してきた。次年度はスケールアップしてL単位での培養が可能になると予測される。
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Strategy for Future Research Activity |
循環培養装置により効率的に細胞再充填する研究に関しては、プロトコールの確立がまだ十分でないため、設定条件(流量、培養液内容など)を模索しながら、最適な条件を検討している。次年度からプロトタイプの培養装置開発を目指し、本格的に研究を始動させる。
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Causes of Carryover |
(理由)大量細胞培養のプロトコールには進展が認められたが、培養された細胞自体の機能評価プロトコールが必要であり、そのための資金として、貴重な助成金を有効に活用させていただくためには、余剰分を次年度に使用させていただくのが望ましいと判断した。 (使用計画)充填細胞の大半を占めるHepG2細胞の機能評価として1)肝細胞としての機能 (ALB, CYP2D6, CYP3A4など)、2)癌細胞としての機能 (IL-8, CD24, TGF-βなど)、3)抗癌剤に対する効果 (MRP1など)を蛋白質発現やmRNA発現などを解析する方針で、このために必要な試薬、実験器材などの購入を行う予定である。
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