2022 Fiscal Year Research-status Report
The development of a novel hydrogel for preventing complications after endoscopic treatment for gastrointestinal neoplasms
Project/Area Number |
21K12680
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 陽介 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (20735592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 彩乃 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (10624885)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ハイドロゲル / ダブルルーメンカテーテル / ゲル化時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、本学発の物性制御が自在であるハイドロゲル、Tetra-PEGゲルを用いて内視鏡治療後の消化管潰瘍の新規被覆剤を作り上げることを目標としてい る。本ハイドロゲルは2種類のゾルを散布し混合させてゲル化させるものであるが、特に昨年度までにおいてはこのゲル専用のカテーテルがないため、代替品を用いていたことからゲル本来の性能(特にゲル化時間)を達成できないことが多く、この解決が課題となっていた。今年度は均一に胃内に散布するためのカテーテルを作成に注力した結果、ルーメンをなるべく大きくし、手元でシリンジを押す圧力が軽くて済み、結果として2液が等しく排出されるようなカテーテルの理想にかなり近いものを得ることができた。
そこで、再度、生体ブタに全身麻酔下で内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行し胃潰瘍を複数作成し、その潰瘍底に本カテーテルを用いて、Tetra-PEGゲル、より瞬時にゲル化し組織接着性を高めたoligo-Tetra-PEGゲルの2種を散布し1週間後の経過を観察した。olido-Tetra-PEGゲルについてはゲルの吐出が理想的に行えたことで、設計通り、カテーテルからの吐出直後にゲル化させることに今回初めて成功し、潰瘍外への垂れ込みがほとんどなく、吐出直後から滑らかに潰瘍底にはまり込むようにゲル化させる状況を達成することができた。Tetra-PEGゲルについては予想以上に吐出がスムーズに行えたため、ゲル化時間が今回早くなりすぎ、カテーテルにくっついてしまう傾向がありカテーテルの改良に伴い物性をさらに調整する必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゲル吐出用のカテーテルの改善に着手できており、それによりゲルの性能を設計通りに発揮することが可能となってきた。大動物実験も再度行うことができたが、新型コロナウイルス感染症の社会状況の影響もあり、当初の想定ほどには大動物実験を積み重ねることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
吐出カテーテルについては、先端にゲルが付着する問題などをさらに改善できないか検討していく。また、カテーテルの性能改善に伴い、本来設計通りのゲル化時間がほぼ思い通りに達成できるようになったことを踏まえ、oligo-Tetra-PEGゲルとTetra-PEGゲルのどちらが潰瘍被覆剤として最適かの検証実験を再度行いたい。
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Causes of Carryover |
動物実験が当初の想定より安価で行うことができたこと、新型コロナウイルス感染症の影響で動物実験の回数が想定よりは少なかったことによる。今後、遅れを取り戻すべく、動物実験の追加、また結果の学会などにおける発表などにも経費を使用していく予定である。
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