2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K12693
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
本田 みちよ 明治大学, 理工学部, 専任教授 (20384175)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 組織再生 / 血管新生 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
立体的な構造を有する歯周組織再生を実現するために、三次元培養可能な生体吸収性マイクロファイバーシートを利用し、人工歯根膜様シートの創製を試みた。これまでに、歯根膜様組織の再生には歯根膜線維芽細胞と血管内皮細胞の共培養比が1:1の時において、最も管腔形成能が高く、また歯根膜の主要な構成成分であるコラーゲンが産生されることを明らかにしている。そこで、マイクロファイバーシートへ歯根膜線維芽細胞と血管内皮細胞を1:1となるように播種し、一定期間培養した後、細胞の特性について評価した。その結果、歯根膜線維芽細胞と血管内皮細胞の共培養は、各細胞を単独で培養した場合に比べ、細胞増殖能を長期的に維持できることが明らかになった。一方、管腔形成の足場となるコラーゲン産生能については、共培養と単独での培養で有意な差は認められなかった。これは、三次元培養環境では、二次元培養環境に比べ、細胞間距離が遠くなり、細胞-細胞間の相互作用が低下したことに起因すると考えられる。また、管腔形成は確認できたが、コラーゲン産生量の低下により、二次元培養時に比べ、形成された管腔構造が未熟であった。今回使用したマイクロファイバーシートは、その組成から細胞から産生される液性因子については、足場材に吸着し、それが管腔形成を促進できる材料であると考えられるが、細孔径や表面構造を含め、材料表面の微細構造を再度検証する必要性があると考えられた。また、足場材に記憶された情報(可溶性因子の吸着)は、組織再生の成否を左右する要素の一つでもあることから、細胞外マトリックスとしての機能を積極的に果たすことのできる足場材料の選定が重要となると考える。本研究では、血管構造を有する人工歯根膜様シートを作製することはできたが、より生体に類似させるためには、細胞接着、液性因子吸着が可能な足場材の開発が必要であると考える。
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Research Products
(2 results)