2021 Fiscal Year Research-status Report
教師なし深層学習を用いたMR画像の病変検出システムの開発
Project/Area Number |
21K12702
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松澤 等 新潟大学, 脳研究所, 非常勤講師 (70303170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 拓 北海道大学, 大学病院, 講師 (70748863)
浦川 貴朗 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90770222)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人工知能 / MRI / 教師無し学習 / 異常検知 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、“教師なし異常検知”(Unsupervised Anomaly Detection)を臨床画像の学習に適用し、学習時は健常者画像のみを使うことで“健常脳の特徴分布”を学習し、学習の完了時には、その分布から外れているものを“異常、疾患脳”と判断するような人工知能をめざす新しいアプローチを目指している。 “教師なし異常検知”(Unsupervised Anomaly Detection)では、学習時は健常者画像のみを使うことで潜在空間における“健常脳の分布”を学習し、学習の完了時にはその分布から外れているものを“異常、疾患脳”と判断するアプローチである。本研究では、正解データのみで学習したニューラルネットワークが様々な異常を検知、対応できる様な実用的なAIを作成することを目標としている。最終的には、“Generator”に対し、入力として疾患の画像を見せ、対応する潜在変数の空間に逆写像するようにネットワークを設計し、近似した潜在変数zを見つけたら、そこから今度は順方向に再生画像を作らせ、両画像の差異(再生誤差)を数値化し、“正常画像との相違を数値化することを目標とする。 初年度である令和3年度の研究計画として、まず、正常例のMR画像を用いて敵対生成ネットワークの学習訓練を安定しておこなうAIネットワークの構築を試みた。具体的には、(a)正常例及び疾患例のMRI画像をシステムに入力するための前処理を徒手的に行いつつ、(b)幾種類かの敵対生成ネットワークのうち、DCGAN (Deep Convolutional GAN)、BEGAN (Boundary Equilibrium GAN)、Efficient-GANの三種について安定して学習が収束する様な実装を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度にまず構築を試みた複数のAIネットワークは、DCGAN (Deep Convolutional GAN)、BEGAN (Boundary Equilibrium GAN)、Efficient-GANの三種である。 具体的には、正常例及び疾患例のMRI画像をシステムに入力するための前処理を徒手的に行いつつ、幾種類かの敵対生成ネットワークのうち、DCGAN (Deep Convolutional GAN)、BEGAN (Boundary Equilibrium GAN)、Efficient-GANの三種について安定して学習が収束する様な実装を試みた。 このうちBEGANは、“Discriminator”ユニットがAuto-encoderと呼ばれる構造を持ち、“再生誤差関数の出力”という、バランスを保って学習を進めるための比較的数値化しやすい指標が得られるのが特徴であり、本年度、申請者らはこのBEGANについて、比較的安定した収束結果が出ることを確認することができた。 残りの二つ、DCGANとEfficient-GANについては、DCGANは安定した収束条件に揺れが生じやすく、一方のEfficient-GANは学習時に画像をノイズへ変換するencoderを学習し、推論時にそれを利用することで高速な処理が可能で期待でき、実際に高速な処理ができているがその信頼性に関して引き続き検討を要することがわかった。いずれにしろ、特徴空間における実際の臨床画像の“分布”は予想より変化に富み、収束に時間がかかることがわかった。 以上、進捗状況としては概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度以降は、令和3年度に引き続き、安定したGeneratorの訓練が可能なシステムの構築を進めると同時に、臨床画像の中から実際に異常画像の検知を行うためのシステムのたたき台を作成する。具体的には、(a)正常例及び疾患例のMRI画像の収集、前処理を完了し、このデータを用いて(b)安定したGeneratorの訓練が可能なシステムを構築する。 更に令和5年度には、前年度までに構築した“安定した訓練が可能になったシステム”を用いて、潜在空間における正常画像と異常画像の分布間の「距離」を計測する。 このプロセスは、“Generator”に対し、入力として疾患の画像を見せ、対応する潜在変数の空間に逆写像するようにネットワークを設計し、近似した潜在変数zを見つけたら、そこから今度は順方向に再生画像を作らせ、両画像の差異(再生誤差)を数値化し、“正常画像との相違”すなわち異常の検知を行うシステムの完成を目指す。 これが順調に成功した時は、更に異常部分の可視化をめざす。
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