2022 Fiscal Year Research-status Report
ブドウ糖・ガドペント酸メグルミンと7T-MRI-PCCTを用いた分子イメージング
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21K12713
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
渡邉 学 東邦大学, 医学部, 教授 (30297709)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 7T-MRI / 癌造影 / ブドウ糖・ガドペント酸メグルミン / ブドウ糖・ガドブトロール / フォトカウンティングCT / テルル化カドミウム / CdTeアレー / ガドリニウムKエッジCT |
Outline of Annual Research Achievements |
●生理食塩水・ガドプトロールによる造影: 大腿部にVX7癌が生着したウサギの耳からガドプトロール0.3 mLを含む10mLの生理食塩水・ガドブトロール溶液を静脈注射し,注射後10,30,60,90分後にT1WIにより癌部位を撮影した。 ●ブドウ糖・ガドプトロールによる造影: 生理食塩水・ガドブトロール溶液による造影から24時間以上経過した後,ガドプトロール0.3 mLを含む50.3mLのブドウ糖・ガドブトロール溶液をウサギの耳から約10分かけて点滴し,点滴後10,30,60,90分後にT1WIにより癌部位を撮影した。 ●生理食塩水・ガドブトロール溶液を使ったT1WIでは静脈注射後10分で癌部位の信号強度は最大となり,時間の経過とともに信号強度が減弱した。一方,ブドウ糖・ガドブトロール溶液を点滴した際には,時間の経過よる信号強度の変化はほとんど無く,造影時間は90分以上であった。 ●CdTeアレーを用いたトリプルエネルギーX線CTスキャナーの構築: ピクセルサイズが0.1mmのCdTeアレー,0.1mmフォーカスX線管,ターンテーブル等を組み合わせて空間分解能が0.1mm以下のトリプルエネルギーX線CTスキャナーを構築した。回転ステップと総回転角はそれぞれ0.5°と360°で,720ファイルのRaw画像から断層像が再構成された。ここで,33と50keVはIとGdのKエッジエネルギーで,I-Kエッジ撮影では33-50と33-100keV,Gd-Kエッジ撮影では50-100keVの範囲のフォトンを利用して撮影し,良好な画像を得ることができた。さらにエネルギー分解能を補正するためのプログラムを開発し,Kエッジ撮影における血管のコントラストが改善された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブドウ糖・ガドブトロール溶液と7T-MRIを使ったVX7癌の造影では,点滴後の癌造影時間が90分以上であり,じゅうぶんに人体における癌造影に応用できることがわかった。ガドペント酸メグルミン造影剤と比較して,血中のGd濃度は半分になったが,造影効果はほとんど低下することはなかったため,さらに低いGd濃度でも癌造影は可能であると思われる。 CdTeアレーを使った臨床用PCCTは近年実用化されたが,それほどエネルギー弁別の効果は無いように思える。また本研究におけるPCCTの空間分解能は0.1mm以下であり,KエッジCTにより微小血管が高コントラストで描出できることから,癌の新生血管も造影できると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には先ず2022年度の研究計画の通りに再度造影実験を行ない,ブドウ糖・ガドブトロール溶液の造影効果を再確認する。次いで,投与するブドウ糖分子数を一定にした際のブドウ糖溶液濃度による信号強度の変化を観察し,造影に利用できるガドブトロールの最低濃度などを検討する。 CdTeアレーを使ったPCCTでは,2022年度に構築したエネルギー弁別プログラムのPCCTへの有効利用,加えて位相コントラスト画像に似ているエンボスCT法を組み合わせてコントラスト分解能を最大の1.0にすることにより,癌の新生血管の描出を試みるつもりである。
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Causes of Carryover |
2022年度は新型コロナウィルスの影響により,岩手医科大学への出張回数が制限された.そのため,本研究に必須である岩手医科大学での7T-MRIを使用した動物実験回数が予定より少なくなった.2023年度は新型コロナウィルスによる行動制限が解除されるため,岩手医科大学での7T-MRIを使用した動物実験,国際学会での研究成果発表を行う予定である.そのため,担癌ウサギ,出張旅費,薬品,MRI使用料等に全ての研究費を支出する予定である。
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[Journal Article] Embossed X-ray computed tomography using a 50-μm-pixel flat panel detector.2022
Author(s)
1)Oda, Y., Sato, E., Yoshida, S., Yoshioka, K., Enomoto, T., Watanabe, M., Hiroyuki, N.
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Journal Title
Ann. Rep. Iwate Med. Univ. Center Lib. Arts Sci.
Volume: 57
Pages: 19-26
Peer Reviewed
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