2021 Fiscal Year Research-status Report
Future prediction of children using medical images in pediatric dentistry
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21K12725
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古々本 一馬 大阪大学, 歯学部附属病院, 特任助教(常勤) (00803107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 一徳 大阪大学, 歯学部附属病院, 准教授 (40379110)
大川 玲奈 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (80437384)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小児歯科 / 成長予測 / 人工知能 / 画像生成 / 敵対的生成ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
小児歯科診療では、医療画像となる口腔内写真やパノラマエックス線写真の撮影が行われ、それらの画像から読影や診断がなされている。これらの医療画像は、子どもの成長に応じた治療計画を立てる際に用いられ、成長により将来生じる事象を予測しながら歯科治療を行う。本研究では、小児の成長による口腔内写真やパノラマエックス線写真の変化を敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Network; GAN)により生成し、子どもの未来の画像が予測可能かどうか検討した。 まず、口腔内写真を35,254枚用意し、画像生成深層学習の1つであるPGGAN(Progressive Growing of GANs)に学習させた。生成画像を評価したところ、512×512ピクセルまでであれば、小児歯科医が真正画像か生成画像か識別困難な程の本物に近い画像を生成可能であった。また、乳歯列期から永久歯列期にかけて徐々に遷移していく様子を生成することができ、未来の口腔内写真を生成出来る可能性が示された。 次に、パノラマエックス線写真を8,093枚用意し、画像生成深層学習の1つであるStyleGANに学習させた。生成画像を評価したところ、乳歯から永久歯に歯が交換していく様子を生成することができ、歯胚の位置も妥当であった。また、実画像をStyleGANの潜在空間へ投影し、子ども成長する様子を生成したところ、StyleGANによる成長予測と、実際に成長して得られた画像が概ね一致することが明らかとなった。 本研究結果から、子どもの未来の口腔内写真およびパノラマエックス線写真をAIが生成出来る可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、2種類のGANを用いて口腔内写真およびパノラマエックス線写真が生成できることを明らかにした。また、口腔内写真とパノラマエックス線写真の両方で、乳歯から永久歯に遷移していく様子を生成することができ、子どもの将来予測が出来る可能性が示された。歯科における画像生成に関する報告例はほとんどなく、新たな知見を示すことができ、研究は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究結果から、GANが口腔内写真およびパノラマエックス線写真を生成出来ることが明らかとなった。今後の研究では、口腔内写真およびパノラマエックス線写真の成長予測を掘り下げていくとともに、実際の成長後の画像と比較して提案手法の有効性について検討していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のため、学会がオンライン中心となり、旅費の支出が想定を下回った。また、今年度の外国語論文投稿にあたり、研究代表者が所属する大学から支援を受けることが出来たため、英文校正および論文投稿に関する支出が想定を下回った。以上の理由より、次年度使用額が生じた。翌年度の使用計画として、学会参加に関連する旅費および外国語論文投稿に関する出版費に充てたいと考えている。
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