2021 Fiscal Year Research-status Report
大腸内視鏡挿入支援を実現する空圧駆動高柔軟ラバーアクチュエータの開発
Project/Area Number |
21K12727
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
原田 馨太 岡山大学, 大学病院, 助教 (30728150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇元 修一 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (40452560)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 大腸内視鏡検査 / 自走式内視鏡 / ソフトアクチュエータ / 空気圧アクチュエータ / 医工連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国は大腸癌の罹患数が増え続けている。その原因の一つに大腸内視鏡の受検率が低いことが挙げられている。大腸内視鏡検査は苦痛であるということが受検率を下げている大きな理由である。そこで本研究では、挿入する内視鏡自体に自走機能を持たせて、患者の苦痛軽減に寄与する内視鏡システムを開発する。医学部と工学部が連携した取り組みで医工連携により、術者の技量によらず、患者にとって苦痛の少ない安全な内視鏡を実現することを目的としている。 安全で自走機能を有する大腸内視鏡の実現のためシリコーンゴム製のバルーンを用いて,低圧で駆動可能かつ,従来の内視鏡に装着可能な大腸内視鏡挿入支援用のアクチュエータを開発している。 本年度は,三つのバルーンを2層で配置した構造のアクチュエータを考案し,その検証モデルの設計と試作を行った。下層に配置した二つのバルーンと上層に配置した一つのバルーンに位相差をもたせて周期的に空気圧を印加し,各バルーンを膨張変形させることで,上層バルーンの上端部で人の歩行時の立脚相と遊脚相に相当する変形を励起する。このアクチュエータを内視鏡に取り付けて駆動させることで,内視鏡に推進性能を付与するアイデアである。液状シリコーンゴムを用いた型成形によりバルーンを製作し,三つのバルーンを接合することで機能検証用のアクチュエータを製作した.製作したアクチュエータの上端部の位置変位を計測した結果,10kPa以下の低圧の空気圧印加によって立脚相と遊脚相の状態が実現できていることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医学・工学の立場からディスカッションしながら新たなアクチュエータの構造を提案できていること,実際に機能検証アクチュエータを試作したこと,アクチュエータの印加圧力が10kPa未満であり低圧で駆動可能であること,内視鏡に推進性に寄与することが期待できる立脚相と遊脚相に相当する変形を確認できていること,以上の理由からおおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究では,機能検証用アクチュエータを製作し低圧駆動で立脚相と遊脚相を実現できることを確認した。今後は,より効果的な大腸内視の挿入支援を実現するための設計の見直しを行うとともに内視鏡に見立てた樹脂ロッドを用いた自走能力の測定,既存の内視鏡へのアクチュエータの装着を実施していく。その後,大腸ファントムを用いた挿入実験を行いながらアクチュエータによる挿入支援効果を検証するとともに,アクチュエータを付与した大腸内視鏡の適切な挿入方法を医学的アプローチから検討していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響によって,出張できないケースがあったこと,十分な研究時間の確保が難しくアクチュエータの駆動評価用システムの構築に至らなかったことが大きな要因である。 駆動評価システムを構築するとともに,アクチュエータの試作数を増やす予定であり,次年度使用の予算はこれらの開発に使用する。
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Research Products
(1 results)