2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of education and assessment tool for anastomotic technique in technically demanding surgery using 3D simulation system
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21K12745
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松井 あや 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (20894950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉島 庸 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (40374350)
野路 武寛 北海道大学, 大学病院, 助教 (10739296)
七戸 俊明 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (70374353)
平野 聡 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50322813)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 外科教育 / 肝胆膵高難度手術 / 胆管空腸吻合 / 手術技能評価システム / 3Dシミュレーションシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の開始可能時期が新型コロナウイルス感染症の全国的なまん延による緊急事態宣言期間中であり、北海道大学の行動指針(BCP)により、新規研究の施行が困難な状況であった。具体的には、自施設・他施設を問わず、リクルートした被験者を訪問し、長時間同席で手技を撮像・評価する過程は、昨年度同様BCPに反するため施行できない状況のままであった。本研究の柱ともいうべきcadaverトレーニングの開催自体も同様に見送られた。以上の理由から、本年度もエキスパートが執刀した過去の手術症例の後方視的解析に終始した。本年度は、膵頭十二指腸切除における膵空腸吻合(n=400)について、晩期合併症として膵管内結石、膵空腸吻合部狭窄、膵萎縮に焦点を当て、その発症状況や危険因子について統計学的な解析を行い、これらの結果について学会発表を行い、知見の共有に努めるとともに研究チームにおける情報共有を図った。術後経時的に膵管径が拡張する症例は、解析対象とした症例の約半数に達しており、背景として膵空腸吻合部狭窄があるものと考えられた。膵萎縮や術後糖尿病発症との有意な関連は示せなかったが、悪性疾患を多く含む母集団であり、生存期間中央値が短いことが影響した可能性もあると考えられた。何よりも、術後膵空腸吻合部狭窄の発症頻度は、膵炎など有症状の症例に限られることが多く、無症候性の膵空腸吻合部狭窄の発症状況をreal worldのデータとして示せたことは大きな意義があった。
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