2021 Fiscal Year Research-status Report
小児外科領域の革新的極細径内視鏡シリーズの開発と応用
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21K12749
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
神保 教広 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10650559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増本 幸二 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20343329)
瓜田 泰久 筑波大学, 医学医療系, 講師 (90361352)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小児 / 細径内視鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は当初の計画通り“極”細径膀胱鏡として膀胱鏡のプロトタイプ作成・改変を繰り返し行った。また血管内視鏡は成人領域で使用されているシステムの小児領域の静脈系へ適応するための検証を計画・準備している。膀胱鏡は従来の硬性視管ではなく、レンズ+CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を使用したカメラ部分の制作を行い、0.75mmのimage sensorを用いて0.96mmのカメラ作成を行った。また、制作したカメラの画質が臨床診断に充分か否かの検討を細径モデル挿入時の画像を幾通りも行って検討した。ライトガイドについても同細径モデル内の画像を用いて光量の調整を行い、更に膀胱鏡使用環境下は生理食塩水の中での観察となるため、同環境下で画質の変化と光量の調整が可能か検討し改変作業を行った。 並行して膀胱鏡本体の設計を行った。0.96mmのカメラを内蔵した膀胱鏡本体の外径は目標とする2mm内での制作を予定しており、カメラ、生理食塩水の注水孔、ライトガイド、治療用鉗子の挿入孔の各配置について設計を行い、現在制作中である。また、治療用鉗子については更に細径となるため、剛性などの検証を予定している。 血管内視鏡については従来成人動脈用として使用されている内視鏡を小児の静脈用に使用するための改変及び検証を予定しており、令和4年度中の検証に向けた、人工モデルの制作及び乳児相当のミニブタを使用した検証にむけた準備を進めている。検証項目として、画質、視野設定、焦点設計、光量、機器の形状とそれに伴う操作性等を上げ、膀胱鏡では生理食塩水の灌流量、操作性と安全性を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細径膀胱鏡についてはプロトタイプの心臓部分であるカメラの作成が完了した。必要十分な画質を兼ね備えた0.96mmのカメラの制作されたことで、膀胱鏡本体の設計・制作に取り組んでおり、プロトタイプの制作が済んだ段階で人工モデルや小動物を用いた検証に進む事が出来ると考えている。検証時に本体の剛性や画質の調整、ライトガイドの配置、操作性や膀胱鏡本体の取り回しに関連した設計変更が必要と考えられ、プロトタイプの改変作業には更なる時間を要すると考えられるが、開発段階としては概ね計画通りに進んでいると評価している。 同時に人工モデル(血管系)や膀胱鏡と同動物を用いた血管内視鏡の検証も準備を進めており、膀胱鏡及び血管内視鏡を中心に研究開発を進める事が出来ている。コロナ禍の影響は大きいながらも、開発企業とオンラインの会議を重ね、動画の視聴を繰り返す事で一定の進展が得られている。一方で、機器開発においてはWeb上では伝わらない感触や操作性については今後の課題であり、研究開発に支障のないよう工夫しながら設計・開発・検証を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に”極”細径膀胱鏡のプロトタイプの制作に到達し、現在制作中であるため、令和4年度はプロトタイプの試行、操作性や画質、光量、管腔構造の剛性・耐久性の検証を行っていく。実際には人工モデルを用いた試行に始まり、設計改変・制作を繰り返し行う必要があるが、なるべく短期での乳児相当のミニブタを用いた検証を目指す。同時に血管内視鏡の試行と静脈系での画質・画像取得に必要な基礎的データの収集も行う事で当初の研究計画を推し進める事が可能と考えている。血管内視鏡においては、ミニブタでの検証の際に、鎖骨下静脈の狭窄もしくは閉塞モデルを作成して、必要な画質が得られるための灌流液の容量やその際の心負荷についても検討する必要があり、そのための圧センサーなどについても実験計画と必要機器の準備を進める事とする。 令和3年度はコロナ禍の影響もあり、Web上での開発企業との検討を繰り返すことでプロトタイプの制作にこぎつけたが、試行や操作性を検証するためには対面での検証が必須であることから、感染流行状況と感染対策を十分講じた上で研究開発を進める予定である。令和4年度内に人工モデルでの検証、生体(ミニブタ)を用いた検証計画を実施するためには、学内の実験設備及び倫理的配慮についても並行して準備していく必要があり、これを行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
令和3年度はコロナ禍の影響を多大に受け、研究開発に関わる打合せや出張に関する必要経費が大幅に減少した上に、学会、特に国際学会等への必要経費がWeb開催となったために削減されたことから、予定の経費が大幅に減少した。一方で膀胱鏡作成にかかわる経費が製作が、令和3年度内に完了しなかったため、令和4年度に膀胱鏡プロトタイプの購入の必要があるため、繰り越した経費については開発過程の膀胱鏡プロトタイプの経費に使用する予定である。また、具体的に内視鏡システムの開発を進める上での画像収集・編集にあたっては計測用PCの購入なども検討しており、また生体(ミニブタ)を使用した研究を予定するにあたっては麻酔、使用機器の購入などが新たに必要となるため、同繰り越し経費を使用する予定である。
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Research Products
(6 results)